タグ： こげぬ禍 問死

<こげぬ> 啓都大学文学部の二回生。内向的で口数が少ない。何を考えているのかわからないと噂される。 他人と距離を取っている節があり、雑談の輪に加わることもほとんどなく、教室の隅や木陰で本を読んでいることが多い。 唯一〈HO箱〉とだけは例外のように親しげに話すところが目撃される。 生まれも育ちも東京で、大学から京都に来て寮での一人暮らしを始めた。 学費は親から支援されているが、生活費等は自分で稼ぐ約束をしているので、そこそこアルバイトのシフトを入れている。 高校までは明るく人当たりのいい学生だったが、明るい自分でいることに疲れてしまい、誰も知る人のいない環境で気ままに生きることを望んで今に至る。 自分はなぜ生まれたのか、何のために生きるのか、死ぬとはどういうことか、という思春期の悩みに決着をつけられないまま拗らせて哲学専修の扉をたたいた。 人生の意味を求めるためにどんなことでも奔放に試すと決めており、思いついたように奇行に走ることがある。わかりやすい例として髪色が頻繁に変わる。 * * * * * * * * * * * * * * * * <問死> 辜月祭を経て幾ばくか自分の感情に整理がつき、髪色も戻った。 自分が何のために生きて何のために死ぬのかは未だに探し求めているが、少なくとも人は死ぬ最後の瞬間まで生き足掻くしかないという割り切りを得て日常を過ごしている。 京都から東京に戻ったが、大学へ行く際のごたごたで親との関係がぎくしゃくしており、東京に戻っていることを手紙で知らせたのみで一度も実家には戻っていない。

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