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ひとつぎ なるこ。さる企業の社長令嬢であったが家を出て結婚している。 写真などの構成に造詣があり、美術的な観点から撮ることを好む。 事前に撮影する場所のことを調べ、直接見た時の感動と音で感じられる臨場感を重要視している。 婚約者との関係が始まったのは高校卒業時からで、アプローチしたのは他ならぬ彼女自身だった。 それをきっかけに二人は交際を開始し、彼女は高名な私立大学に入り、後に夫となる彼は 大学には通わずIT企業に就職した。それから4年、彼女が大学を卒業すると共に結婚、旦那も仕事では成功しており 傍目には幸せなカップルに見えた。しかし結婚してからは仕事のストレスや元々の人格からDVが始まり、 成子は殴られるのにも手当てするのにも慣れてしまい、しかし指輪はつけていないと殴られてしまうので ネックレスとして首から下げている。 彼女は聡明ではあった、だが恋には盲目だった。 結婚から1年、既に成子は彼に辟易している。携帯は持たせてもらえず、電話線のないアパート住みなうえ、 そもそも父親の制止も振り切って出てきてしまったので頼ることも出来ず、法律を学ぼうとしたことも あったが、本を見つけヒステリーを起こされ顔にまで痣ができるほど殴られて、それ以来諦めてしまった。 できることなら逃げ出してしまいたいとは思っても、自宅に軟禁状態に近い形で捕らえられている。 数少ない楽しみといえば、休日に写真を撮りに出かけることである。勿論彼はついてくるが、しかし 外でくらいは、その時くらいは仲良く話せるのだ。 それは彼女なりの、鳴子のようなSOSでもある。 …｢欲望の家｣を経て霧切 散葉と結ばれ、助け出される。今は二人で幸せに暮らしている。

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