タグ： ロトカ・ヴォルテラの愛堕討ち

最近人気が出てきた落語家、桃樂亭　玉藻（とうらくてい　たまも）。本名、伏見屋　天狐　フシミヤ　テンコ 28歳。 狐のような不思議な出立ちの美しい顔をしており、自他ともに認める美形。尚且つ頭も優れており、まさに『天は二物を与えず』という言葉からかけ離れた人物である。ちなみに「顔で売れた」というととんでもない形相で怒る。美人の怒った顔ほど怖いものはない。 物腰柔らかで人あたりが良く同業者からの人気も高い。まあ、たまに皮肉めいた事も言うが。師匠のことをとても尊敬しており、慕っている。人情噺が得意。 母はモデル、父親は俳優という芸能一家であったため小学生の頃は子役をやっていた。しかし、その頃はその世界に馴染めず引退。以降は一般人として生活…..というわけにもいかなかった。そこそこ子役として名が知れていたからか中学では女の子から、付き合ってだの、かっこいいだの。この人たちが好きなのは自分の顔なのに。正直めんどくさかった。 そんな状態で高校に進学。高校の芸術鑑賞会で落語を見た時に思ったのだ。ああ、自分がやるべきなのはこれや。と。子役の時のコネをフル活用し、その落語家に弟子にしてほしい、と頼み込んだ。まあ、その時は当然断られたが。何回か続けると、大学を卒業したら、という条件付きで卒業後の弟子入りを認めてもらえた。 高校三年生の秋。学校の帰り道を歩いていると、突然路地裏に引き摺り込まれた。何事かと思えば二、三人の男たちに押さえつけられ、服を乱されそして。 ただただ不快で気持ちが悪かった。抵抗しようにも勝てるわけがない。 どれくらい時間が経ったか分からないが警察が来た。どうやら両親が帰ってこないのを心配して警察に連絡していたらしい。 この経験から、路地裏が今でもたまに怖くなってしまう。 「相変わらずのところでお付き合いで願いますが私、桃樂亭玉藻と申します。」 「狐は神様の使いっちゅうのしらんの？？あぁ、学がないから知らんか」

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