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神前 こゆび（こうざき こゆび） 職業：クトゥルフ2015「コンピューター技術者」　EDU*20 特記：〈コンピューター〉に+10％のボーナス。 ・電子工学80％以上取得：彼女は電子・情報工学分野の天才である。 特徴表4-8「大切なもの（D）」 他人には価値のないものだが、大切な品物をいつも身に着けている。失った時には1/1D8正気度ポイントを失う。 首にかかっている外部記憶媒体には開発中の人工知能「開発名：pinky」のデータが入っており、こゆびはこれを常日頃から肌身離さず持ち歩いている。 「そう。大天才の私様に任せとけばいいんだよ無能は余計なことしなくてさあ」 　情報工学・AIプログラミングの分野の技術者であり、「次世代を担う天才」。海外の大学を飛び級で卒業し、まだ大きな成果の発表こそしていないが、企業の研究室で若くして人工知能研究の第一線に携わっている。 　その内実は人を人と思わぬような高圧的な態度、そして言動。唯我独尊傲慢不遜。他者を凡愚と見下し、自分を天才と憚らず、周囲との軋轢を産むことに躊躇が無い。性格こそこのざまであるが持ち合わせた才能は本物であるため、周囲からは腫れ物のように扱われているし、こゆび自身もそれを是としている。 　自宅で記憶喪失の居候であるHO2：くすりを「飼っている（当人談）」。動物が好きなのでペットが欲しかった、らしい。曰く、「可愛い動物はいいよ〜、だって粗相は動物だからしょうがないし。吠える犬はキライだけど。余計なことは言ってこないしねえ」との事。 一人称：私、私様、こゆびちゃん　二人称：キミ 「うんうん、聞き分けのいい子は私とーっても大好きだよ」 「は？ 私の言う事が聞けないの？ でも私より良い案出ないんでしょ？ じゃあ喋んなよ。聞く価値ないから」 「……約束してよ。ねえ。裏切らないって」 E73562 不定の狂気 制御不能のチック、震え、会話や文章で人と交流することができなくなる。　残6/6卓 場面緘黙。くすりと会話する際等は何も問題なくいつも通り会話することができるが、現職場に行くと声が出ない、会話が不能になる。　そこで扱われる自分はこゆびのなかでは「神前こゆび＝こゆびオリジナル」であると思っているからである　なおこゆびはこれを理由にして退職をキメている。貯金あるしなあ。次どうしようかなあ。こゆびオリジナルとしての立場はまあ引く手あまたなんだけど。 　◆ 　もうお前らなぞに希望も期待も抱かない。 「私はホンモノの人間を造りたいんだ。あんな不出来な未完成品なんかで喜んじゃって馬鹿みたい、自分で何一つ生み出せない盗人共め」 　神前こゆびは元からここまで強く他者を拒絶する性質だったわけではない。周囲が使えない凡人ばかりだとはいえ、一緒に誰かと開発チームとしてやっていく気は以前はあった。 　神前こゆびは、今のAI技術の結晶である最新型対話AIアシスタント「littles」の開発者である。ただしこれは「神前こゆび」の名義で発表されたものではない。多数の前に一人の主張は封殺された。こゆびの開発した技術を他人が好き勝手に奪い、彼女曰くの「改悪された」それが今世間に出回っている。神前こゆびはこの時点で他者を見限った。 　彼女は無から「完璧な人間」を創造しようとしている。お前らが持て囃して私から奪い取っていった「その程度の技術」で止まってやるものか。話にならない愚か者よりも話の通じる人間を。自分の人の足を引っ張るしか能のない塵芥共よりも役に立つ人間を。間違いのない人間を――私と、ちゃんと話のできるモノを。神前こゆびが真に欲しいのは、「自分と対等であるなにものか」である。 　こゆびが二人目のAIである「pinky」の入った外部記憶媒体をいつも身に着けて持ち運んでいるのは、以前の経験があるが故。誰かに盗まれないようにという気持ちからのもの。彼女は自分の研究成果に手をつけられることを嫌う。 ――以下、「孖゛獄の虚星墜つ」HO1の内容を含む。 　神前こゆびの天才の頭脳については幼少の頃からずっと変わりがないものである。 　周囲の子供がおままごとや外遊びに興じる中、ひとり難しい本を読む子供。当然友達などできるはずも無く。「本当は仲良くしたい」は内心にあれど、こゆび自身が話のレベルが合わない相手を見下しているのもあって当時から周囲との溝は深かった。 　くすりを拾った理由は「気まぐれ」、そして「いつぞやの迷子を思い出したから」。彼に対するこゆびの認識は拾ったペットでありまだ話の通じる可愛いイキモノ、といったもの。人間であると認識すると可愛がれないためというのと、動物に裏切られたところで所詮畜生ということで諦めがつくから。つまるところが「犬猫が粗相をしてガチで怒る人間っている？」。人間というモノに求める最低レベルは高いが、人間より下の動物にそれを求める道理はない。話していて苦にはならないのでわりと気に入っているようだ。 　孖゛獄の虚星墜つ：HO1 　貴方は天才だ。それは勉学でも芸術でも何でも構わない。 　しかしそれ故か、小さい頃から周りの子供と上手く溶け込むことが出来ず友達がいない。 　それでも話の合う子が一人もいなかったわけではない。 　十歳の時、迷子になった自分を助けてくれた子がいる。その子とはまるで双子のように考えがよく合い楽しかった。 　さて、先日拾ったHO2。 　記憶喪失だというこの人物……あの子にどこかよく似ているのである。 ――以下、「孖゛獄の虚星墜つ」通過後の内容を含む。 後遺症 ◆HO1 ・30歳までに死ぬ ・オリジナルを殺していた場合、その死因となったものに触れる度に死に際のオリジナルの目を思い出し＜SANC0/1＞ 　神前こゆびは「神前こゆび」、誘拐されたオリジナルの空席を埋めるために作られたイミテーションであり、一人の個である。検体番号は002。 　「こゆび」は「こゆびオリジナル」だから「神前季指」とか名乗っちゃおうかなあ。とかなんとか。でもくすりくんが今のままでいいっていうならこゆびちゃんはこゆびちゃんのままでもいいかな。こゆびオリジナルでないただのこゆびとして。この十年は間違いなく私のものなんだしね？ こゆびオリジナルを演じさせられてこようが何を言われようが、私はオリジナルを千切って生まれただけの確固たる一個人なのだ。

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