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ガイスト家の長男。 気分屋で本の虫。殆どの時間を家の書斎で過ごしている。慢性的に不眠症であり、ほりの深い気怠げな目の下には色濃く隈が塗り込められている。 書斎外にいることすら稀で、両親の命令か弟の頼みごと以外で日の本に出る事もない。 その白く透けた肌と、艷やかな絹のような銀髪、血濡れのような真っ赤な瞳から、屋敷の外では密やかに様々な噂が立っている。 ある一冊の本をいついかなる時も肌見放さず持っている。 ガイスト家の奴隷。 どんな命令にも従順な奴隷。この家に居場所など無い。 本も好きだったわけではない。書斎ならば我々の目に触れぬから、と、その場所のみいることを許されたからそこに居着いただけだ。本に触れ、その匂いを吸い込むと、昏いこの世界に色がつくような気がした。 従順とはいえ、常に晒されるストレスから気分が揺れている。書斎から出たがらないのは、人の視線に耐えられないから。義父、義母、義弟、使用人……目を刺す太陽の光すらも、出来損ないで無価値な奴隷の自分を嘲り笑っているような気がしてならないのだ。事実、両親と使用人は自分を見るたびに酷い顔をする。それは一瞬だが、その変化は見逃せるほど微細なものではない。だから、このような人間の成り損ないを、このよう生きた醜態を、誰にも見られたくないのだ。 人に意見を否定されることを酷く恐れる。耐えられぬほどの怒りの感情が表情を歪める。 （無意識に、掴んでいた弟の腕にぎりぎりと爪が食い込む。どうして、どうしてこのような愚弟のために、わたしは踏みにじられないといけないのだろう。その顔も忌々しい。どうしてこんなにも似ているんだ。お前の顔がもっと醜ければ……。ーーーでも命令は絶対なのだ。） だが、そんな彼でもひとりだけ心の許せる人物がいた。使用人のウェンディだ。 どこかぼーっとしている彼女が自分を見る目だけは、どこか慈愛に満ちた優しさを持っていた。彼女と本の話をするときだけ、心の安寧が保たれた。 本物の母親というものがいたら、きっと彼女のような人だったのだろう。 ウェンディといると、安心して、ついうとうと眠たくなってしまうこともあった。 ーー技能値ーー キック、マーシャル:ゼレを守るために教えこまされた 聞き耳:この家につれて来られた当初、言うことをきかないという理由で、母親に思い切りぶたれる。その手は耳にあたり、鼓膜を痛めた。以来聞こえが変わり、あまり音が拾えなくなった。 忍び歩き:一族の長男たるもの、優雅で静かな歩きは必要不可欠である。マナーとして、静かな歩き方を教わっている。 図書館:本が友達 目星:読みたい本を見つける力 ナビゲート:じきに、一族を導く者として、時代を切り開き一族を先導する力を有している。彼の性格的にそれが発揮されることはない。 信用:一族の長男なので高めに 知識技能:書斎で本を読むうちに身につけた知識 バルデマー　愛称:バルド（Bald） Baldemar【バルデマー】：王の、立派な、気品のある

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