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探索者 伽藍堂　龐　がらんどう　みちる 日本人　女性 ゴーストハンター 心霊現象を調査する研究者だが、それだけでは生活費にならないためその傍らで廃墟の調査や探偵の真似事など幅広い調査業務を副業にしている。 法律上グレーな組織への潜入や内部調査なども行うため荒事の備えは欠かさない。 あまりに手広く副業を行いすぎているため本業が進まないと最近は嘆いており、誘われた肝試しは久々の本業と張り切っていたようだ。 体格は細身の高身長で筋肉質。 oppは低め。やや平らであるが本人は機動力があると開き直っている。 シナリオ「21ｇ」 クリア時SAN1 回復1ｄ10→10 【不定の狂気】　フェティッシュ、不安症 遠月紫苑が近くにいない場合、壁や天井に恐怖や不安を覚える。 また、紫苑に対し強い執着心を持ち、失うことや嫌われることを強く恐れる。 彼女の所有物を持つことで恐怖心を緩和できる他、声や気配でも多少の落ち着きを保てる。 一人でいる間は終始周辺の様子を警戒し伺い続ける。 五か月 謎の館より生還した彼女は療養の末、ゴーストハンターとしての職を辞し小説家を志した。 それ以降、副業であった調査員としての職からも離れ、細々と生活している。 狂気症状に関しては投薬や軟禁に近い隔離、長期にわたる精神治療によって緩和されているが、定期的に遠月紫苑と会う必要があり依存の気はまだ収まっていないようだ。 処女作は不老不死を目指した天才医師の悲劇を綴る物語。『命の重み』 「21g」最後の一幕 説得フェイズ　伽藍堂盈視点 ———————— 壁越しに失礼します。 飯倉千奈美さん。私は伽藍堂盈と申すものです。 すみませんね、どうにもそういったものは苦手なもので、壁越しになってしまいますが。 さて、先程彼、登仙というのですが彼が述べた冗談。 我々はこの館に迷い込んでしまった。ということについて補足をいたしましょう。 冗談の一つと捉えていただいて結構ですが、我々は未来人やパラレルワールドの住人で、何かの間違いでこの館……山並東病院、でしたか？ここに迷い込んでしまった。 ええ、たわいもない冗談です。なんてことのない馬鹿げた仮説です。しかし貴女ほどの天才ならばわかるでしょう。 どんなに馬鹿げた仮説でも冗談のようなそれであっても、他の可能性を全て排除して最後に残った仮説がそれならば、それは真実たりえると。 きっと貴女は自分にしかできないことをなそうとして、自分が変わり、世界を変えようとしたのでしょう。 それは恩師に導かれて。山穀人士という人間は貴女にそう教えたのでしょう。 ああ、彼との関係ですか……例えるなら同じ戦場を駆けた仲、でしょうか。 ええ、彼には圧倒されましたよ。 さて、私が未来人であるという話をしましょう。 私の知るある人は、貴女と同じように世界を変えようとした。それも医学的な知識を持って。 しかしそれには時間が圧倒的に足りていなかった。 だとすれば、彼、あるいは彼女がやったことは簡単です。 寿命という概念を壊してしまえばいい。自らが不死になることで足りない時間を補えばいい。 そうして彼女は不死の存在となりました。 ここで質問です、医学会の天才、飯倉さん。 仮に肉体は不死たりえたとして、それに脳は耐えられますか？ 精密機械より精緻な構造をした我々人間の脳細胞は、その永劫ともいえる時間に、耐えられますか？ そう。彼女の記憶は次第に欠落していきました。 剥がれる記憶の中、混濁する自意識の中できっと気づいたのでしょう。 こんなことは終わらせなくてはならないと。 ええ、そう。お察しの通り、彼女、とは貴女のことです。 そして、貴女がそのために非人道的な手段や実験を躊躇しないというのであれば、この記録は貴女のものだ。 【実験記録】と【飯倉千奈美の日記】を渡す。 そして貴女はある時、恩師山穀の日記を見つけることでしょう。 この薬は彼からの届けものです。 受け取っていただけますか？ 【認知症薬のようなも の】と【山穀人士の日記、挟まったメモ】を渡す。 信じていただけてよかった。だから言ったでしょう？ 我々は未来人、だとね。 「21g」 終幕　伽藍堂盈視点 飯倉さんに連れられた地下室は凄惨な状態であった。 幻覚で見たそれは直視する私の精神を破壊する。 理性と狂気の狭間で咄嗟に紫苑さんの手を握った。 握ったはずだ。 感覚が狂う世界が歪む。ここはどこなのだろう、彼女はどこに行ってしまったのだろう。 私を置いていかないで、貴女がいないと私は駄目なんです。 気丈に振る舞う精神の鎧はとうに剥がれてしまった。 私はもう、一人じゃ立てないんです。だからお願い、待って私を…… 声をかけられて意識を取り戻す。ほんの一瞬ではあったようだが長い精神疲労によってだいぶ私は参ってしまっているようだった。 飯倉さんから耳栓を渡され、それを受け取る。 支持された通り我々は部屋の四隅に立ち、飯倉さんは中央に立った。 耳栓をつけ、目を閉じる。何が起きているのか、私にはわからない。 しかし、耳栓を渡されたのは私だけだ。きっと他の三人は何かをするのだろう。 そう、これが魔術、あるいは呪術に類するものなのだとしたら、詠唱をともなった因果の反転。 結局私は、それすら手伝うこともできないなんて。帰ることすら、彼らに任せてしまうことになるなんて。 友人に肝試しに誘われて浮かれていた、ゴーストハンターへの罰なのだろうか。 悪霊に祟られるなんて、とても褒められたものじゃない。 心霊現象の専門家として三流もいいところだ。 自己嫌悪の最中、大きな揺れが起き、目を開ける。 地下室の天井が落ちてくる、というよりもまるで建物そのものが、いや、世界が、崩壊しているかのような。 勢いよく上体を起こす。来ている寝間着は汗で気持ち悪い、ベッドも湿っている。 どれだけの汗をかいたのだろうか。 そっと私はスマホを確認する、ああ帰ってきたのか。 なら確認しなければならない。親愛なる彼女の無事を。 電話をかける、反応があるまで何度でも。 「紫苑さん！聞こえていますか！」

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