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宇佐木 尚徳（うさき ひさのり） 小説家ではあるが、その時書きたいと思ったものを思いつくまま書く事に心血を注ぐ為、自称として「物書き」を使う。 見たもの感じたもの全てを創作のネタにするクセがあり、周囲の、彼とあまり親しくない人々には大変ウザがられる。 それが原因で学生時代の呼び名は「ウザ木」（本人としては「実に私を表していますなぁ！」と満更ではない） 一人称／私 二人称／貴方、貴女 KPじあさん『天露尋』トゥルーエンド 天命13 同行していた堺、雨宮、マリヤに具体的な数字は教えず。それでも違和感を察知した堺の堅い決意により、宇佐木が天命を捧げることは無かった。 あの地へと足を踏み入れた結果、天命数というものが決められたか、はたまたこれは文字通り、天に定められていたものなのか。 思い掛けず知った自身の寿命だが、その事へと大した動揺もなく、彼は日常を過ごしていく。 人の世は千差万別、人生の長さとて同じこと。限界は突きつけられた。しかし明日が平穏無事に終わると限らない。 であれば、知る前と何が違うだろうか？ 彼はペンを走らせる。 手の震えという、物書きとしては致命的な症状と暫くは向き合わねばならないが、発作の波が引けばそれすらも書き留めて。 とある少女へと字の指南をする日々は、短くとも鮮烈な色を刻むだろう。 『貴女のお話も、私、楽しみにしておりますぞ？』 ひたむきに、しかし生き生きと勉学に励む彼女の姿に、常冬の世界で投げかけた自身の言葉を思い出す。 話せることはないと言っていた、あの館での浮かぬ顔は消え去り、春のような笑顔で生きる彼女は、どんな風に世界を見つめているのだろうか。 奇妙な縁で出会った新たな『取材対象』、今は朗らかに笑うその唇からどのような言葉を紡ぎ出し、彼女は世界を表すのか。 それが何れは果たされるだろうと密かに確信つつ、彼は今日も嘯き笑う。

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