タグ： ろったんさくしゃ NPC

もろもろ怖く見られがちなパティシエ。 穏やかな性格をしており、自身のことをどう言われようが意に介さない。 良くも悪くも期待しすぎない大人なのである。 その反面、几帳面で職人気質なところがあるため、ケーキに関しては妥協が苦手なようだ。 --- 「ケーキの美味しさに感動しました！ 弟子にしてください！！」 と押しかけてきた高校生・猫矢正志に、最初はひどく驚いた。罰ゲームか何かだろうかとさえ思った。 話を聞けば、現在高校三年生だという。将来に向けての大切な時期ではないか。 それに自分は弟子を取れるほどの人物じゃない。 確かその様なことを言ってあしらおうとしたのだが「じゃあアルバイトから！ それならいいでしょう！？」と押しきられてしまい、渋々関わることとなった。 最初は一時のモラトリアムの様なものだろうと高を括っていた。だが、日々熱心にお菓子作りを勉強する様子やお客へケーキの美味しさを伝えようとする姿勢から、本気なのだなと改めて分かった。 今や正志の存在は馨の中でも大きくなった。同じパティシエとして働く仲間であり弟の様であり、いずれはライバルにも成り得るかもしれない。 正志の出すアイディアはなかなかに面白く、自分にはない発想ばかりだ。そろそろ何かしらのコンペに出てみるのも視野にいれて良い程に。自分(馨)ばかりではなく、様々な人と関わっていって欲しい。 ただどうにも正志は俺のことを慕いすぎているようで、中々外に気持ちが向かないというのが最近の悩みである。 時折客が俺の悪口を言ったとかなんとかで喧嘩になりかけることもある。まだ若いなと、そうも思ってしまう。 --- 実はとある名家の長男。本当の名前の字面は「糸静寂 香新(こうあらたか)」。 将来の事について両親と揉め、絶縁されている。その時に名前も捨てた。 年の離れた弟がいるが、彼は実家に残っているため全く会っていないと言う。 家を出たのは15才の時。弟はまだ5才だった。 今更兄貴だって帰ったとして、困らせるだけだろうと考えている。後悔はしていない。 両親のことはほとんど話さない。悪い人達ではない、ただ気持ちがすれ違ってしまっただけだ、というスタンス。 彼が選んだ仕事はパティシエだった。食べればみんなが笑顔になる「ケーキ」という食べ物が好きだったし、間違いなく材料を量るとか、温度や湿度の調節だとか、そういった細やかな作業も結構好きだからだ。 誰にも話していないが、ささやかな願望として、いつか自分のケーキを両親や弟が食べてくれたら良いなと考えている。 --- ある時から、正志の表情が以前よりも明るくなった。曰く、世界を救ったのだとか。

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