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雪䰲 レ鱈(ゆきあつ れたら)
ID:4486343
MD:fe17627218083621a89dd9c69b2d52e7
雪䰲 レ鱈(ゆきあつ れたら)
タグ:
ぐぬぬ
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生まれ・能力値
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21
その他増加分
一時的増減
現在値
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CON
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DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
『火点し頃の蜘蛛踊り』 ■PC4:観光客 あなたは、観光客だ。 八肢島の噂を耳にして、島へと向かうこととなる。 ========================== 以下秘匿 戸籍上は雪䰲 レタラ。 アルビノ。日光に弱い。骨のように細い。 借金まみれのどうしようもない自他ともに認めるクズ。酒が今日も美味い。 パチンコと違法麻雀でなんとかお金を貯めようとしているため、 一向に金はたまらないし、それをどうにかしようともしていない。まぁ何とかなると思っている。 刹那的で、自分勝手に生きることをモットーにしており、 死ぬときは死ぬよなぁと思いつつも死にたくはないので、 お日様サンサンであろう八肢島にも行くことにした。 これはおれの人生だから、おれの好きなように生きる。 大事に大事に育てられてきた一人っ子。 何をするにも親に「心配」されてきたため、 むしろ心配させないように、自分は何もしない方が良いんだなと幼心に思いつく。 そのまま怠け癖がついてしまい、何もしないししたくない精神が根付く。 大事に大事にされるのも息苦しく、実家が嫌い。 高校を卒業したタイミングで都会の大学に進学する同級生と同居することになり、ド田舎の家を出た。 同級生がずっと面倒を見ていてくれたが、紆余曲折あって同級生は亡くなってしまい、 一人残されたレタラは繰り返すパチンコ、酒、違法麻雀の末借金まみれになっていた。 怖いお兄さんたちのお世話にもなってしまっているため、歯は抜けているし左手の小指もない。 <隠れる><忍び歩き>……怖いお兄さんから逃げる。 <追跡>……いつでもお金を追いかけています!!! <図書館>……お外で遊べなかったので幼少期なんかは本読んでました。 <言いくるめ>……口だけは達者。 <オカルト>……金のなる木みたいなの現実にできないんかってちょっと調べた。 <地質学><博物学>……同級生の受け売り。 職能技能「ギャンブラー(2015)」参考 職業P:EDU*10+DEX*10 特記:ギャンブルの際、<幸運>に+10% <芸術(演劇)> → <回避> 代替 演劇見てる時間あるなら借金取りから逃げた方が良い <経理> → <応急手当> 代替 お金のやりくりくそ下手なのでいつも殴られる 【特徴表】 5-3:失敗は発明の母 …… ファンブル出したら即座に成長ロール、成功したら+1成長。 5-8:大酒飲み …… 酒にめっぽう強く、酔いにくい。アルコール関連のPOTを1/2にする(端数切り上げ)。 ◇ 7/18生 誕生花:マリーゴールド(別名:太陽の花嫁) イメージカラー:#FFFFFFF イメソン:シーサイド/菅原圭 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【クリアシナリオ】 2022/08/31『火灯し頃の蜘蛛踊り』生還 以下PLが楽しいだけの「同級生」との話。 まじでシナリオ関係ない。すみません。 ========================== 小学校も中学校も、みんなと違う自分はどこか避けられていたように思う。 多分、扱い方が判らなかったから。 それでもレタラは心地がよかった。 腫れ物のようにされたり変に気を遣われたりするより、ずっとよかった。 高校に入学してもなお、レタラは保健室に通い教室には顔を出さなかった。 休みがちと書いてサボりがちと読む。 仮病をすれば先生はみんな信じてくれた。 そんなある日、自分の眠る保健室のベッドを訪れる人影があった。 須藤夏生(すどう なつお)。レタラのクラスの学級長。野球部。 こんなあたたかな春の日でもこちらへ伸びてきたその腕は既に日焼けしていて、 目が眩みそうだった。 入学式から2週間を経ても教室に現れないクラスメイトがいた。 名前を「レタラ」というらしい。 彼と同じ中学出身だという新しい友達は、「すんげぇ白い」と教えてくれた。 体育の授業にて。 新しい環境下で気分も高まっていたらしい数人の男子生徒からの流れ弾を顔面にくらい、見事に鼻血を出す。 そのまま一人保健室へ向かえば先生は不在で、中途半端に開いているベッドのカーテンが目についた。 閉じてあげようと善意のままに近付くと、薄手の毛布から覗いていた髪は知らない色をしていた。 真っ白で、つい、触れてしまった。 彼がすぐに「レタラ」だと気付いた。 真っ白で、綺麗だったから。 瞳を開けると、鼻血を出した男子生徒が自分の髪に触れていた。 からかうように「えっち」と笑えば、我に返ったように彼は慌てた様子で手を引っ込める。 「いや、そんなつもりは」 「いひひ、わかってるよ。でも鼻血出してるからやべー奴かと思った」 ベッドから降り、彼に慣れた手つきで保健室のティッシュボックスを渡す。 話をすればするほど、彼がくそまじめで、お人好しで、努力家で、 見た目だけじゃない、自分とは真反対だと思った。 彼はそれからよく保健室に来た。 彼は「学級長だから」と言うし、レタラも「先生に言われて様子見に来てんのか」とも思っていたが、 存外彼は思っていることが顔に出てしまうようで、 「あ、おれのこと好きなのか」と漠然と気付く。自然と悪い気はしなかった。 それからレタラもちょいちょい教室に行くようになり、 いつしか保健室に通うことはなくなっていた。 教室ではいつも一緒にいたし、お節介な彼はよく面倒をみてくれた。 クラスメイトには「親子」とも言われたし、「夫婦」とも揶揄されたが、 お互い満更でもなかった。 彼はよく笑って、よく怒って、よく困って、よく泣いた。 そんな彼が愉快で面白かった。 野球部の彼は太陽に愛されたかのようだった。 陽の下でにこやかに笑う活発な姿を見ていれば、 望んだことはないけれど、自分には叶わない喜びなんだなと思う。 初めて太陽っていいなと思った。 ますます自分とは違う存在だと感じた。 とある夏の日、どちらともなく何でもなく、身体を合わせろ。 高校卒業が近付いて、 彼が一緒に住もうと提案してきた。 「俺、東京の大学に決まったから。レタラも実家出たいんじゃないのか」 レタラといえば進路なんてまるで真面目に考えずにいた。 おれは何もしないし、したくないけど。 いつも通り正直に素直に答えても、一緒にいてくれるだけでいい、と彼ははにかむ。 「家業を継いでも良かったんだ。でも、レタラをこの町から出したかった」 言葉通り、彼はレタラを東京まで連れてきてくれた。 六畳一間の小さな部屋。それがふたりの家。 彼は大学とバイトの日々。レタラは家でぐうたら。ヒモ。 それなりに幸せ。 でも彼が苦労していることも知っている。 おれも少しは働くか。そう思ってパチンコを始める。クズだから。 案の定バレて怒られる。クズだからやめない。 大当たりしたらいーじゃん!!!!!!!! それでも彼は愛してくれた。 時に友愛で、時に恋愛で、時に家族愛で、時に性愛で。 どうして彼が愛してくれるのか判らないが、やっぱり嫌な気はしない。 20歳になった年の夏の真夜中。 普段より大勝ちしたパチンコの万札と酒を持ち帰って彼に怒られていたところ、 彼のスマホが鳴った。 母さんが倒れたと顔を青くする彼を見て、レタラはなんだか腑に落ちた。 レタラは知っていた。 彼の父親は彼の幼い時分に亡くなった。彼の家は農家で、後継ぎは彼しかいない。 彼の母親は同居する義理の両親に反対されながらも、土仕事をしながら、彼の学費のためにパートに出ていた。 きっと彼は目を瞑っていた。 自分の選択で母親に苦労させていることも、レタラと生活するために母親の仕送りを拒否できないことも。 学生の身分では、完全に独り立ちできないことも。 ようやく彼の目が覚めるときが来たのだと、他人事のように笑えてしまった。 「早く実家帰ってやれよ」 「いや、でもこんな時間に電車もバスも……」 「ほ~~~~~~ら、パチンコ勝ってきて良かったじゃん!金あんだから、タクシーひっかけて来いよ」 彼は複雑な顔をして、そのお金を受け取るとすぐさま部屋を出て行った。 そのまま帰ってこなければいいとさえ思ったが、 数日後に彼は帰ってきて、でもやっぱり顔色を悪くしていた。 「……実家に戻ろうと思う」 彼はまじめで優しいから、いよいよ母親のことを無視できなくなったのだろう。 「あ~!いーじゃん、そうするべきだって」 いつもと同じように大口を開けて笑い、レタラは彼に酒を渡す。 「いつまでも辛気臭い顔してんなって、ほら、飲めよ」 彼がいなくなってしまったら、今後の金の宛てがない。 どうしようかと考えたが、それでも彼を引き留めようとは思わなかった。 「難しく考えんなよ、今までがおかしかったんだって」 彼の気難しそうな表情が崩れることはない。 「おれはお前のためになんにもしてねぇけど、おかんはお前のためにたくさんしてくれてんだろ」 珍しく彼は昼間からぐいぐいと何杯も飲んだ。 酔った彼はひと眠りした後、夜に起き出して風を浴びたいと言った。 静かな夜、どちらともなく延々と歩き続けた。 帰ることなんて考えていないように、無計画に、いつまでも。 慣れない波の音を聞き取ったところでいよいよ海まで来てしまったのだと気付く。 「レタラ、一緒に俺の家に来てほしい」 突然の物申しに思わず唖然とする。 「は?何言ってんの?嫌だよ」 「うん、レタラがすぐに頷くだなんて思ってない。そもそもお前を連れ出したのは俺だ。滅茶苦茶言ってることも判ってる」 どこまでも真っ直ぐで真っ黒な瞳に見据えられる。 「でも、少しだけでいい。考えてみてくれないか」 波の音を聞きながら隣を歩く彼の肌が明るくなり始めているのに気付いて、 なんだか自分の肌色が、彼の褐色肌に移り交ざってしまったようだと、バカみたいなことを思った。 「……なんでお前はそこまでおれに執着するわけ?」 一緒に田舎に戻るなんて発想は微かにもなかった。 執着。彼は驚いた様子でオウム返しに呟く。 「そうだよ。おれと一緒にいて、お前、苦労しかしてないだろ。おれはお前の人の良さに付け込んでるけどさ」 「好きだからに決まってる」 「だから、なんで好きなんだよって聞いて……」 そこまで返事して、「好き」だと言葉にされたのは初めてだと気付いた。 知っていた。彼の気持ちなんて初めて出会った数日後から、ずっと。 知らぬふりをしていたわけでもなかったし、レタラがそれを知っていることを彼だって知っているだろう。 それでもずっと言葉にしなかったのは、このあやふやで曖昧な関係に名前を付けたくなかったのかもしれない。 彼は真面目で、優等生。 レタラは不真面目で、非常識だ。 「……いひひ、おれがお前と全然違う生物だから、可哀そうに、惹かれちゃったんだ」 「……わからん。でも確かに、俺とお前は全然違うから、一緒にいて楽しい」 「へぇ、そう。いいの?お前の家行っちゃったら、おれ、家事とかじいちゃんばあちゃんの世話とか、するけど」 「え?」 「いいの?おれ、"普通"の人間になっちゃうよ。お前と一緒になっちゃうよ」 彼の顔を見上げて、からかうようにニタリと笑う。 「……お前がそんな風に仕事、できるわけないだろ」 彼は笑った。 大粒の涙を流して、ぐしゃぐしゃの顔をして、ようやく安堵できたみたいにレタラを抱きしめる。 汗の匂いと、仄かに潮の匂いがした。 その日は少し古ぼけた誰も来ないような海沿いのコインランドリーで一夜を明かした。 日が昇った翌日は猛暑日で、海水浴に訪れた浜辺の賑わいで目が覚めた。 サンサンと照り付ける路上を素肌晒して歩くわけにもいかず、 数日前にパチンコで勝った分はとっくになくなってしまったからタクシーも呼べず、また夜が来るまで待った。 探せばバス停もあったかもしれないし、方法は他にいくらでもあったかもしれない。 でも、こんな日は二度と送れないのだと思ったら、夜が来ることも惜しい気がした。 家に帰って数日。彼は大学をやめるらしい。 いつものように一人留守番をしながらぼんやりと思いを馳せてみるが、なんだか彼の家に行くことに全く実感が湧かなかった。 少しでも印象を良くした方が良いだろうかと思い、それなら金かとパチンコに行く。クズだから。 そうしたら大当たりした。すんごい当たった。アホかと思うくらい大勝ちした。20万くらい。 意気揚々と帰宅して、彼の帰宅を待った。柄にもなく、夕食も用意した。(レンチン) それでも、いつまで待っても彼は帰ってこなかった。 鳴らされたベルで開けたドアの向こうにいたのは制服に身を包んだ大人たちで、 彼は交通事故で亡くなったと聞いた。小さな女の子を庇って、らしい。 「ただの同居人」でしかないレタラは、それ以上、彼のことを何も聞けなかった。 片付けられた現場に残っていた少量の血痕汚れに、初めて出会った保健室を思い出す。 一人残されたレタラには何もできなかった。 葬式には行かなかった。実家にも帰らなかった。 大当たりした金でなんとか生活できたが、数か月後には家を追い出された。 そうしてなんとか嗅ぎつけたボロアパートでの暮らしが始まる。 レタラはパチンコと酒しかわからない。 他人のために道を選んで、 他人のために心を病んで、 他人のために命を落とした彼のことを愛していたかもしれないし、そうでもなかったのかもわからない。 ただ、唯一「夏生のため」に、何かしてあげたって良かったかもしれない。 レタラは日陰でしか生きられない。 彼はレタラの分まで、太陽の下で息をしていた。 彼はくそまじめにしか生きられなかった。 だから、レタラは彼の分まで「自分のため」に息をする。 というのも、都合の良い言い訳にすぎないかもしれない。 そんなこんな自分勝手に生きていたら、借金まみれになっていた。 レートがいいと聞いて、違法賭博にも手を出した。裏金にもお世話になっていた。 数本の歯も、左手の小指もなくなっていた。臓器はまだある。 八肢島。 潮の匂いはするだろうか。 潮の匂いは、きらいじゃない。 ◇名前の話 高校二年生の時だったと思う。 立ち入り禁止の屋上に近付く生徒はいないから、 その手前、日の当たらない涼しい階段に二人並んで腰かけて昼食をとるのが当たり前になった頃。 「……レタラの名前って、"鱈"が由来なのか……?」 突然彼がそう聞いてきたから、大口を開けて頬張っていた購買の菓子パンを吹き出しそうになった。 「そんなわけねぇだろ」 呆れたように返せば、彼は「昨日鱈食べたからwikiで調べたんだけど、」と藪から棒に話し出す。 「鱈って、元々デカい口で食べるから"大口魚"って呼ばれてたって」 「そんなデカい口で食ってた?今」 「あと”たらふく(鱈腹)”の語源かもしれないって」 「おれ、そんなに色々食ってる?」 「鱈は非常に貪欲だって……」 「いひひ、言うなぁ」 左利きの彼が躊躇わず誉め言葉とは言えない単語を並べていく。 それを聞きながらぐいっと左腕の袖をまくり、太陽を知らない白い腕を晒した。 それから、すぐ隣にいる彼の日焼けした右腕にピトリと合わせる。 「レタラは”白い”って意味だよ」 同じ季節に生まれて、同じ町で生きているのに、こんなにも色は違う。 半袖から伸びる腕はレタラのそれよりずっと筋肉がついていて、高い体温が伝わってくる。 彼は突然の接触に驚いたのか、その手で持っていた弁当を思わずひっくり返しそうになっていた。 「お前は……”夏”に”生”まれたから、夏生?」 そんな彼の様子を細目に見ながら大口を開けて菓子パンを頬張る。 そうだ、と彼が頷くので単純すぎるだろと笑ってみせた。 レタラだって人のこと言えないだろ。 ほんのり頬を赤くして彼が答えるので、それもそうだと納得した。 これだけ単純なら、もし自分が白く生まれてこなければ、 自分の名前も”夏生”だったかもしれない。 鱈。鱈か。 借金取りに殴られて気を失ってから数時間後。 懐かしい夢から覚めて、左頬に痛みを覚えながら天井を仰ぐ。 「……鱈って、美味いのかな」
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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