タグ： 真川 キャラロスト

とあるゲイバーに勤務するゲイ(両刀) 父親がイギリス人、母親が日本人のハーフ。出身はイギリスだが、物心つく前に日本に来る。 転校した小学校では外見で苛められ、父親の浮気が原因で家庭は徐々に崩壊。小学校を卒業する前には家を出る。 その頃にはすでに高校生に間違えられることも多々あり、自らの性癖にも気付き始めていた。生きるために身売りの世界へと片足を突っ込みかけたが、偶然出会った見ず知らずのゲイに説教され踏み止まった。 そのときのゲイが今の店のママであり、親代わりでもある。用心棒役として腕っぷしはそれなりに強いが、ママには頭が上がらない。 そんな波乱万丈な人生の経験から、客に人生相談を持ちかけられることが多い。そのためだけに来る女性客もいる。 黒髪短髪で右耳にリングピアスをしている。一人称は俺で、自分ではオネエ系ではないと思っているが、喋り方がどことなくそれっぽい(ガンダムZZのジュドーみたいな感じ) 本名はミツテルだが、基本的に他人にはマキと呼ばせている。本名で呼ばせるのはパートナーのみで、わりと一途な性格。 恋人は林道誘。 【スワンプマンは誰だ】(PCロスト) 店へ向かう途中、とある女性に人探しを頼まれたマキはそれを承諾する。たまたま通りがかった男が探し人を知っており、男に道案内を頼むことにした。 道中女性が犬を叩き潰したりそれを偶然見てしまった学生も巻き込まれたりと散々で、あまりの光景に我を失っているうちに探し人の屋敷に着く。 そこでもまた惨劇が繰り広げられ、屋敷の地下室には冒涜的な肉塊。再度狂気に飲まれたマキが落ち着くまでには時間がかかった。それでも、二人増えた同行者と共に彼女の探し人の情報を辿る。 その過程で聞いたスワンプマンという存在。構成物質も精神のあり方も抱く思考もすべて本体と一緒の泥男。人間ではない、しかし本体とすべて同じならばそれはもう本人であると言えるのではないか。彼女は己がスワンプマンであることを自覚してはいたが。 マキは確かにそうだと思った。周りも、自分でさえも気付かないのならばそれは立派な人間ではないのか。そう思うと同時に人間ではないことも考える。本人ではあっても人間ではないのかもしれない。 様々な情報を擦り合わせ、再度屋敷に出向く。そこで黒幕の狂信者の罠に会い、彼女は苦しんだ。その場にいたうちの数名も、そしてマキも。その瞬間に頭の中を過る予感、不安、感情。 そうしてとうとう辿り着いた屋敷のさらに地下で、探し人は彼女の元になった本人のみを求めていた。外道に手を染めて、時空を超えてまで死んだ人物を求めることを止める者は彼女を含め誰もいなかった。二人は共に行った。 その奥に母体はいた。すべてのスワンプマンの大本。母体は自らを殺せばスワンプマンの増殖は止まると言った。そして世に存在するすべてのスワンプマンは死ぬと。 やはりマキは泥男だった。思った以上にショックはなかった。だって自分はこうして生きていて、マキ以外の何者でもないと自分で思えるからだ。 探索者は究極の二択を迫られる。人として何の違和感なく生きている沼男を殺し、親しい人が沼男であるかもしれないという可能性に目を瞑り、人間という種族を存続させるか。人のまま生きているスワンプマンをそのままにし、沼男が消えることでの社会への混乱を避け、沼男の可能性のある親しい人物を殺さない、しかし人間という存在はすぐにも絶滅する道か。当事者のマキにとっては生きるか死ぬかの二択でもある。 四人の探索者たちの間でも意見は割れた。マキは悩んで、恋人のことを思い出して、そして自らの死を望んだ。 死にたくない。本音だ。だが、人間でいたいという人が一人でもいるなら、それを無視して生きたいと望むのは嫌だった。嫌悪すべき行為だ。結果的に自分が沼男を代表して言っていることに、少しだけ自棄な感情になったのも嘘ではないけれど。 そう決めれば、愛するあの人が人間でも沼男でも大した問題ではないと思えた。死ぬのは一緒だ、共に生きれないのは悲しいけれど。他の探索者たちも納得してくれた。 銀の刃が母体を貫く。あっけない死だった。これから自分は緩やかに死んでいくのだ。実感はなかった。 写真を撮った。他の探索者との集合写真も撮った。もし恋人が人間だったときは、彼らに説明を託すことも頼んだ。人間のままでいたいと言った彼らを前にすると、少し泣きたい感じもした。 後悔はしていなかった、と思う。地上に戻ったマキはすぐ恋人の元に行った。数日を過ごし、そして去った。自ら命を絶つためだ。自分を人間だと思い込めるうちに死にたかった。 恋人が人間か泥男か、マキは最後まで気にしなかった。できれば人間でいてほしいと思う。その思いもすべて、写真を預けた探索者たちに預けたのだった。

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