タグ： ひややっこ🌹 オリジナル

齢17歳、晃誠又吉は思った。 “近代の医学は間違っている！！！” どんな手を使ってでも治すべきだ！ 幼い子供の治療に金を巻き上げてはいけない！ 医学と言うのは奇跡だ、誰にでも奮って良い訳ではない！ この敷かれたレールに則って行くなんて真っ平ごめんだ。 そして青年は健やかに闇医者になったのだった――。 持ち前の器用さで己の力を過信し、天才医師を自称し、文字通り殺してでも治す術を手に入れた。 金銭は高いが腕は確かであり、その金でまた最新の医療器具を揃え、変質的に医学に執着する男。 突飛に頭がいい訳でも、知識が有るわけでも無いが、彼の技量には“どんな手でも使う”というものがある。 ただ、こんな性格でも子供に対してのみ柔和に接し、無償で医療を提供する事も屡々。 良く言えば何時までも純粋だが、現実に目を向けられていない。 どんな恨みを買ってでも、頼まれれば医術を施す。 けれど、其れも彼の気まぐれに左右される。 何故なら医術は“誰にでも奮って良い訳ではない”からだ。 医学の発展のために渋々(※金のために)依頼を受けることはあるが、余裕がある時は突っぱねて仕舞うことも。 神や奇跡や魔術などは基本信じてはいないが、もしもその正体が明らかになれば、彼は正気を削ってでも己の医学を発展させようとするだろう。 そんな彼には、友人という友人が幼い頃から存在しなかった。 彼が医学に芽生えたのは、看護師だった母から教わった適切な治療を膝を擦りむいた同級生に施し、先生と共に感謝を示された事だ。彼はそこに存在意義を見出し。 “態と”人を傷つける“罠”を張った。 気付かれないように、陰湿に。 そして壊れた部分を治す、壊す、治す、壊す、治す。 それは自らの初めて出来た恋人にさえ及んだ。 それどころか、愛しているなら許されるだろうと自ら手を下した。 新しい薬を試して、毒の体制を付けさせた。ワクチンを投与して、ウイルスにも強くした。 物理的に殴ってみて、どれほどの強度か見極めて、彼女に適切な治療を覚え。 彼女は理想の患者になったし、自分は彼女の理想の医者になった。 壊した、治した、壊した、治した。 心さえも、壊して、治して、壊して、治して。 それは本当に“治った”のだろうか。 彼女は家にいる事が殆どとなり、自分のために尽してくれるようになった。 彼女は最高傑作だ、身体も心もその身で強くなった。 けれどどうしてだろう、彼女は見知らぬ機関に引き取られ、自分は犯罪者と言われるようになった。 結婚も控えていたのに、全て台無しだ。 色々と経緯はあったけれど、彼が闇医者になった大々的な理由は“犯罪者になったから”である。 けれど彼は自分が犯罪者とは思っておらず、人に慈悲を与える天才だと考え込んでいる。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ