タグ： いぬさわハウス

ドイツ在住の劇作家。幼い頃からいくつもの物語を書いており、17歳で文学の賞を取り若き新星だと界隈では有名に。 その後本人の希望で様々な劇団に台本を書いては送るようになり、それを元とした舞台が評価されたため現在は戯曲一本で活動している。 彼の描く物語はいつも人の命が散る悲劇。しかし悲しいだけでは終わらない迫るものがあり、見た人の心を掴んでいる。 声を出すことができない。コミュニケーションをとる際は手話ではなく筆談をしている。羽根のついたペンでとても繊細で美しい字を書く。 あまり表舞台には出ないが、人と関わることは嫌いではない様子。いつも穏やかに微笑んでいる。 応縁氏とはペンフレンドの仲。彼と話をするために独学で日本語を覚えた。 間違いから始まった交流だったが、手紙を書くことは自分に合った交流方法であった上に彼の話が非常に興味深いので手紙が届くのをいつも楽しみにしていた。 ワインやスープが好物。食が細く、あまり重いものは食べられない。書くことに集中し始めると何日も食べないことがある。 －－－－－－－－－－－－－－ 生まれる前から僕の中には悪魔が宿っていて、声を出すとそいつが表に出てくるんだ。 僕は本当に話せないよ。声を出しているのは悪魔だから。 数年前から時折世間を騒がせる奇怪な殺人事件。 被害者の体を切り開き内部を取り出し、まるで逆十字に磔にされたかのように見立てるという非人道的なものだった。 その犯人こそがルネ・シュペングラーその人である。 彼は自分の中に悪魔がいて、声を出した時にそれが出てきて人を殺すのだという。 本人の衝動をそう呼んでいるだけなのか、本当に悪魔が憑いているのか、それはルネ本人にも本当のところがわからない。 ただひとつ言えることは、ルネは悪魔の存在を受け入れているということ。 何故ならその凄惨な光景が何より彼の創作意欲を掻き立てるのだから。 －－－－－－－－－－－－－－ 送る荷物 ・服や身だしなみを整える一通りの日用品。基本的なものの他、オーデコロンも持っている。 ・メモ帳：所持品と同じもの。筆談用のメモの予備に10冊ある。(大きさ・分厚さは手帳程度) ・ペン：これも所持品と同じもの。予備なので所持品のものがなくならない限り使用しない。 ・白ワイン、バームクーヘン2：ドイツ土産。とてもおいしい。 ・睡眠薬：常備薬。たっぷり入っている。 ・日本語会話集と地図 犯行履歴 16歳：堅物で人から避けられていて町の外れに孤独に住んでいる老爺。同じように友達がいなかった自分を迎え入れてくれて、よく本を読ませてくれていた。ふと、もしかしたらこの人なら悪魔の存在を話しても信じてくれるのではないかと全て話した。話しながら殺した。結局は受け入れてもらえなかったので悲しいと思った。人を殺したのは初めて。(虫や動物は以前からやっていた)この体験で得た気持ちを元に書いた小説が賞を取った。 18歳：散歩中式場の前を通ったら結婚式をしていた。花婿と花嫁がとても幸せそうで素敵だと思った。その一週間後夫婦共に手をかけた。 19歳：小旅行中、ホテルに戻ろうと夜道を歩いていたらパンを抱えて嬉しそうに歩く少女とすれ違った。聞くと久しぶりに弟たちにおいしいパンを食べさせられるから嬉しいらしい。いじらしい様に揺さぶられてやった。 20歳：書くことに行き詰まったと酒場で知り合った年上の男性に話したら、親身になって話を聞いて優しくしてくれた。お金もくれた。嬉しかったので二人きりになった時ついありがとうと口に出してしまった。 21歳(今)：大切な友人に会いに行く。異国の空気はどんなものだろう、友人はどんな顔をしているのだろう、果たしてどんな顔をしてくれるのだろうと楽しみにしている。他に来ると聞いている人達も彼の友人なら素敵な人物なのかなぁとそっちも楽しみにしている。 －－－－－－－－－－－－－－ 愛されたかった。手を取ってほしかった。楽園にいたかった。ただそれだけだったのに。 (相手の痛みを感じることができない。一方的に押し付ける"愛"を語る。) (自分を否定されたり意にそぐわない回答をされると裏切りだと思い込み憎悪を向ける) 最期の作品は聖女と謳われた美しい女性が命を落とすところから始まる悲劇の事件の物語。 誰にも読まれることはなく館とともに消滅した。

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