タグ： DXHIU 志鳥市EL

「俺はファルスハーツを許さない、許しちゃいけない。絶対にぶっ潰す、あいつらの欲望-ﾈｶﾞｲ-なんて知ったことか！！」 「藍月を助けるまでは……それまでは……FH-ｵﾏｴﾗ-なんかにやられるわけには行かないんだよ……！」 「邪魔だ、どけよ。……どけねぇってんなら力尽くでブッ飛ばすだけだ！！」 七夜緋月、俺はごく一般的な高校生、になるはずだった。 FHの反逆が、そしてあの日事件が起こるまでは。 FHが実権を握り1ヵ月がたった頃。 急にオーヴァードなる超能力者どもが現れたかと思ったら、日本は無くなるわ、刃向かった普通のヤツらは虫でも潰すみたいに呆気なくやられるわで訳が分からなかったが、なんだかんだで落ち着いてきた。 結局オーヴァードでも何でもない俺達は従うしかないわけだし、特になにを強要されるわけでもなかったから、大して生活は変わらなかった。 いや、街の方はやたらと発展してたな。この1ヶ月で何をやったのやら。 それと、たまに帰ってきていた母さん達は反乱の後から帰ってきていない。連絡自体はあるから無事なんだが、別の奴が管理してる街に移動するのが難しいらしい。 そんな時に藍月が街の方に遊びに行きたいと言い出した。 確かにもし何かあったら困るから、と暫く外に遊びには行かない方がいいとは言っていた。 曰く「学校の友達が、すごい楽しかったって言ってた」らしい。 まぁ、変な話は聞かないからそろそろいいような気はする。かと言って1人で行かせるわけにもいかないから2人で行くことにした。 あれ以来初めて街に来たが、やはりやたらと発展してる。100階はあろうかというビルとか……いや、これは前からあったか。まぁ、それが以前より目立たなくなってるくらいにはなっている。 人も大量にいた。……迂闊だったが藍月とはぐれるくらいには。 一日中探し回ったが、見つけた時には夜になっていた。夜、と言っても昼間みたいに明るかったが。 藍月はフラフラと路地裏の方に吸い込まれるように歩いていた。名前を呼んでも反応しない。様子がおかしい。 追いかけると藍月はどんどん奥へと進んでいく。 その先にいたのは－－FHだった。 間違いない。嫌という程見た。 藍月は奴らに捕まっている。他に何人も捕まっているようだ。 奴らは俺の方を一瞥すると躊躇なくこっちに銃口を向けて－－ 鋭い痛みが走る。勢いに吹き飛ばされて後ろに倒れ込む。 まさか自分が生きてるうちに撃たれるなんて思ってもみなかった。 いや、そんな場合じゃない。 藍月を……藍月を助けなきゃ 立ち上がろうとすると、2発、3発と次々に銃弾が撃ち込まれる。 ダメだ、ただの一般人が撃たれて何か出来るはずがない。 せめて、俺がオーヴァードなら……力があれば……！！ 体が熱い。身体の感覚か妙だ。火事場の馬鹿力というやつだろうか。 気づいた時には俺の身体はFHのやつらに向かって走り出していた。 本能のままに腕を振るう。その腕は赤黒い、獣のような形をしていた。 一番前にいた奴を引き裂く。血が吹き出て倒れ込む。 奴らは少し驚いたようにざわめくが、1人が前に出てきて、俺の二撃目を受け止める。 邪魔だ……退けろ……！！ メチャクチャに腕を振るう。それを尽く防がれ後ろに飛ばされる。 その一瞬の間に、藍月の姿は他のFHの奴らと一緒に見えなくなっていた。 もう1度突っ込もうとするが、上の方から銃声が聞こえ俺の前にいた奴が倒れた。 俺の身体はここで限界を迎えた。 あれからUGNに拾われて2年たった。 まだ藍月は見つけられていない。 手元にあるのは力を求めた結果の愚者の黄金(出来損ない)だけだった。 それでも絶対に見つけて助け出してみせる。 ---------------------------------------- 七夜緋月はデータベースではブラム=ストーカー/キュマイラのクロスブリードである。 血で作り出した獣のような鉤爪を使い攻撃するが、シンドロームに対して不自然な点が複数存在した。 実際のシンドロームはブラム=ストーカー/ウロボロス。 彼に自覚はないが、力を求め、他のシンドロームを模倣したエフェクトを使用する。 彼の持つ『愚者の黄金』は右手の甲、本来ならば『賢者の石』が発現するはずであった場所である。 そのせいか、彼の『愚者の黄金』は本来の『賢者の石』に近い能力を合わせ持つ(リミットリリース)

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