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「須黒陽介」：UGNに所属するオーヴァードだった。オルクス、ハヌマーン、モルフェウスのトライブリードの使い手で、UGNから指令を受けては日本各地に飛び、ジャームや道を外したオーヴァードたちを倒してきた。様々な場所に行っての任務が主であったため、共に戦う仲間とは現地で編成されるその場限りの関係がほとんどだったが、一人だけ親密な仲を築いた人間がいた。その人間の名前は蒼井瑞希。瑞希もまた同じような境遇のエージェントで、それ故に仕事を共にする機会が多かった。度々共闘する瑞希に対して、陽介は信頼感を抱いていた。そしてそれは瑞希の方も同じだった。任務による辛く厳しい戦いが続く日々。それでも、二人でいる間は楽しかった。時折訪れるほんのわずかな時間を、二人は大切に重ねた。仕事もうまくいっていた。行きずりの人間とでは築けないチームワークと信頼が、二人をもっと強くした。ある日、上司から新たに言い渡されたのは、ワーディングで封鎖された街の解放。討伐隊には瑞希もいるという。これなら何も心配なんていらない。またうまく任務を達成してみせるさ。いやでも、瑞希と一緒にいられる時間を思えば、あまり任務を早く終わらせてしまうのも考えものだな。まぁ、任務については追々考えるとして。瑞希と会ったらどんな話をしようか？ 蒼井瑞樹は生存し、須黒のショットガンは彼女の手に渡った。 モールテはその後各地を転々とし、オーヴァードとジャームの闘争の中で答えを探す。須黒の最期の瞬間、彼の感情がどのようなものだったのかを理解するために、モールテは今日も血飛沫の道をゆく。 「三途鎧骨（モールテ・カステッロ）」 第一鎧骨（プリーモ・スクード）　第二鎧骨（セコンド・エルモ）　第三鎧骨（テルツォ・アルマトゥーラ） 正しい者は七たび倒れても、また立ち上がる。ヒール。 一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。アウェイクン。

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