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　FHに所属するマスターエージェントの一人。私服では和服に身を包み日傘を愛用する一見では淑やかな女性。 　出生は不明。幼少期にはすでにFHに拾われ実験を受けていたと思われるが、本人はおおよそ6歳程度までの記憶を喪失している。自身がいたであろう研究施設は何者かの襲撃によって焼失・破棄され、その後は様々なセルを転々としている。所属していたセルではほとんどの場合単純な戦闘要員、他の主要セルメンバーの生存率を高めるための捨て駒などといった代えの効く人材としての扱われ方をされており、本人もそのような使い捨ての人材としての自分を称して『（FHとしては）普通、平凡なオーヴァード』と嘯いている。現在は成り行きから「ローグ」セルに腰かけで所属しており、自分が望む戦いのある任務を斡旋してくれるセルをそれなりに居心地のいいものと認識し当面の活動の拠点としている。 　彼女が優れているのはただ一点、『自分の欲望に対する執着』だけであり、それだけでここまで生き長らえてきた。一見落ち着いた物腰だがその実態は『血の香り』を異常なほど好み、それに執着する特殊な嗜好の持ち主。互いに傷付き血が流れれば流れるほど、戦場に血の香りが充満すればするほど昂り、戦いを愉しんでいく一種の戦闘狂であり、そのような戦いを与えてくれる相手を常日頃から待ち望んでいる。 　自身が常人から見て異質な存在であるという認識は持っており、また戦いを愉しめない、すなわち戦意に欠けていたり殺し合いにならないほど実力が離れた相手との戦いには興味がないため平時はそれなりに自分を抑えたふるまいを心掛けている半面、長期間における衝動の抑制が心身に与える悪影響を考慮し代替行為として献血程度の吸血を定期的に行っている。表向きは地元では多少有名なお嬢様学校に籍を置いており、普段はエフェクトで作成した代行者に出席させているものの任務がない時にだけふらっと顔を出してはワーディングを利用して女生徒の生き血を命に支障がない程度に貰うといった行為により血液を確保している。なお人間、それも女性から吸血していることについては完全な趣味であり、輸血パックなどから血液を補うことも出来るものの本人曰く「味気ない」とのこと。 　能力はブラム＝ストーカーらしい血液を操作する能力であり、主に日本刀に近い形状の武器を作成することによる白兵戦を得意とする。しかし彼女の本質は「申し子」と称されるほどのレネゲイドを介した血液操作能力であり、自身だけでなく限定的ながら他者の血液をも遠隔から操作出来るほどの出力及び干渉力を持つ。他者の血液に干渉するためには対象の血液又はレネゲイドを直感的に理解する必要があり、彼女の場合相手の攻撃を自分の体で受けることにより自らの体を介して相手のレネゲイドに接触・理解するという手段を取る。これにより攻撃してきた相手の血液を操作することにより血圧及び血流の過剰増加による血管の破裂、それによる過剰出血を引き起こすという荒業による疑似的なカウンターに似た戦術と、双方自らの鮮血にまみれながらも嬉々として戦いを継続する狂気にも似た精神性、この2つが彼女の最大の武器である。 　このような特殊かつ特化した能力が評価されたのか、まだ粗削りながらコードネームにマスターの称号を冠することを許されたエージェントの一人である。与えられたコードネームはマスターブロッサム。本人の名前からと、相手の血が傷口から噴き出す様が、赤い華が咲いたように見えることからその名が選ばれた。本人もこのコードネームをそれなりに気に入っている。

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