タグ： やがも

あの事件後、永遠の闇に囚われ一度完全に精神を崩壊させる。 一体どれほどの時間がたったのだろうか。それとも一瞬の出来事だったのか。それを知る術はない。 永遠の地獄が続くと思われたその時、気まぐれにニャルラトホテプに拾われることとなる。 ニャルラトホテプは彼女の身体を改造し、その壊れた心を 復活させ、自身の暇潰しのための玩具として扱うことにする。 彼女は再び意識を取り戻し、その身に人知を超えた強大なる力を宿すこととなる。が、その代償として生前の記憶のほとんどを失っており、自身がここにいる理由、ここに来るまでに起きた関する情報のほぼ全てを覚えていない。 しかしたった一つだけ、たった一つだけ『兄』に関する記憶だけは朧げに覚えており、もう彼の名も顔も声も鮮明に思い出すことはできないが、その手の温もり、身体の暖かさ。彼女に注がれたその愛情の深さは心が記憶していた。 彼女には一つの呪いが課せられている。 それは、絶対に死ぬことが出来ないことだ。 いや、正しくは違うだろう。傷を付けられれば痛みは感じるし、呼吸を止めれば苦しくなる。 身体が欠損すれば激痛も伴うし、頭が吹き飛べば生命活動を停止する。 だが、次の瞬間にはニャルラトホテプの前に立っており、激痛を伴いながら膝から崩れ落ちていくだろう。 彼女は、生き返り続けるのだ、永遠に。 たとえどれだけその四肢を引き千切られようとも、塵一つ残らず焼き尽くされようとも。 彼女は、ニャルラトホテプに決して逆らうことが出来ない。 そもそも逆らう気すら起きないのである。 彼女はニャルラトホテプに改造された時、同時に彼の者への絶対的服従心を知らずのうちに植え付けられていたからである。 このせいで彼の者の前では他の事全てが『些細な事』に変わってしまい、思考停止に陥り自身がここにいる理由、目的、そして自身が何者なのか。全てがどうでもよくなり彼の者に媚び諂い、如何に気に入ってもらえるかのみを追求してしまう。 話を戻すが、彼女の人格は再形成され、生前とは些か異なる性格へと変貌した。 以前のような誰にでも分け隔てなく接する明るい女の子のようなものではなく、お嬢様口調、高圧的、他人を全て見下しているような態度、そして覚えてられているのが不思議なほどの『兄』への愛情。つまりブラコン。 根は変わっていないのか、彼女と打ち解け合うことが出来ればその優しさに触れる事が出来るかもしれない。 彼女はニャルラトホテプに新たな名を与えられる。 なにせ記憶の大半を失っている、呼称すらないのは不便であろう。 ニャルラトホテプは彼女に人間界での呼び名として『水兎 氷』という名を授ける。 ニャルラトホテプは、彼女に一つの試練として『能力の大半を制限した状態で生き残ること』を提示し、その機能のほとんどを使用不可な状態にしてとある場所に送り込む。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ