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世界でも上から数えたほうが早いといわれる資産家の一人娘で、オーヴァードとして覚醒したことを機にFHと関係を持った。 もともと将棋やチェスなどが好きだった彼女はノイマンネットワークを得たことでその才能が爆発的に伸び、その技量は戦場で軍師として名を広めることとなった。 指揮者の才能は抜群にあるのだが本人は戦略ゲームのほうが好み。 常に敬語で話すが慇懃無礼。高圧的に自分が正しいと思うことを絶対条件として話す。 「実際の戦場もボードゲームもなんら変わりませんわね。人が死ぬか、駒がやられるか、それだけの違いでしょう？」 「あらあら、ルークだと思ったらただのポーンでしたのね」 「話になりませんわ。人語の通じない貴方に割く脳の空きはありませんの」 UGNに属しているがFHセル【トゥルースリーカー】の所属で所属している理由は結社の理念に共感したからであるが、FHにいたほうが実戦経験が多く積めると考えたからである。 またUGNとの衝突でより優れたエージェントと戦闘によって経験値効率が良い。 オーヴァードとしてはいつのまにか覚醒しており、おそらく彼女が追い求める知識と演算速度に人間の脳が耐え切れずノイマンに覚醒したと考えられる。 UGNにいる師匠は穏健派で人道主義。天才気質なところは馬が合うが、人道的意見には共感できないためそこで意見はしない。時間の無駄だから。 「目的も違う、思惑も違う、足並み揃えて仲良しこよし、なんてとてもできるようなチームじゃないですわね。 それでも結構、それぞれ自らのため十分に暴れなさいな、私がその力を十全に使いこなしてあげますわ。 さあゲームを始めましょう」 キャンペーン1　その後 五つのチェス盤を眺め、彼女は思考する。 一つにはチェスの初期配置、他は黒のルークが一つ、黒のビショップと白の初期配置。 黒のナイトは白のルークと対面、黒のキングは白のナイトから逃げるように。 「何事も想定通りには動きませんわね」 どうやら私たちは何か大きな流れに巻き込まれているようだ。それは望ましい。盤がこれ以上増えるのはとても喜ばしい。 仕える駒は四騎。扱いやすいのはナイトとルーク、キングとビショップは暴走傾向。 流れに逆らうには物足りない手駒だけれど、勝てないならば利用すればよい。 敵も味方もありとあらゆる盤上すべての流れを掌握する計算し計測し勝機を伺う、それこそが私の戦い、私の戦場。 その勝利なくして私たちの完全な勝利はあり得ない。 まずは自陣の把握からやり直しましょう、幸いにも今のチームは激情の坩堝、さてどう利用しようかしら。 キャンペーン２　葦原の日記 自陣の掌握が甘い、今回もまた暴走を許した。 それは私の落ち度として認めましょう。 考えるべきはシルバー計画とシルバースニーカー、それから最高幹部様はどこまで絡んでいるのかしらね。 UGNは少なくとも支部長程度ならばまだ関与していない。 頭痛の種がもう一つ、閃光のラピスラズリ、明日葉瑠璃。 彼女と同席したあの二人の支部長、洲藤と紫ヶ崎だったかしら、実に厄介なのに捕まったものだわ。 それに明日葉支部の面々は際物粒揃い、さらにうちと違って連携も完璧、内部から崩そうにも雇われ二人は私と意見が違いすぎる。 あのスナイパーは合理的で冷酷に見えて、激情家 タンクは戦闘狂でとても相容れない やってられないわ全く。 それに、私が甘いのがすべての悪因なのよね。チームワークを重んじるあまり過剰になっていたわ。 ほんと、どうしよう。私も含めてこのチームは精神が脆いのよ、泣けてくるわ。 エリカにも助けられてしまったし、能力の使い過ぎには気を付けないと。リミッターを考えていないのは私の悪癖ね…… ああ、そういえば明日葉支部といえばあそこのエースがベルのお姉さんでしたわね、何も起こらなければよいけれど、そうもいかないでしょうね。 キャンペ３ UGNとの抗争、セル、曳いてはチームの分裂を契機に友人と言える代えがたい存在を得る。 ごたごたがあったもののUGN、FHどちらにも出入りする奇妙な立ち位置におり、真意は悟られにくい。 言い換えればそれはどちらにも目をつけられているとも言え、危険な立ち位置でもある。 現在は情報研究施設アールラボ、曳いてはUGN情報支部に所属することで立ち位置を落ち着けた。 トゥルースリーカーはその後研究成果を利用したオーヴァードの強化と、検体試験を兼ねた人員派遣によって勢力を拡大している。 菖蒲は代表代行として活動し、対抗セルに対し意図的に助力することでUGN側からそれを補足しそのセルを攻撃させるといった暗躍をしている。 霧雨との交流は互いの情報を交換する形で今も続いている。

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