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「やあ、観光の人かい？ちょっと僕にのぼってかない？」「綺麗な夜景だ…でも君の方がもっときれいだよ。イルミネーションに照らされた僕の方がさらに綺麗だけどね」「この…スカイツリーめ…！牛乳さえ飲めばお前なんて！あっという間に！無職にできるんだ！」 東京タワー大学大学院東京タワー専攻卒業。 卒業論文タイトルは「高速高信頼制御用理論段数アーキテクチャを利用した東京タワーエンジンの全合成」。 カープが好きすぎて卒論タイトル頭文字にCARPを仕込んだ。KARPだったかもしれない。カープ以外の赤い色は許さない。赤はカープの色だからである。ところでカープってなんだっけ？ 愛犬家である。トムとジェリーで犬は猫を追いかける物だと知って以来猫に生まれ変わりたいと願っている。前世は貝なので、順調に出世していると言えよう。なんなら今世で達成してもいい。 先祖代々東京タワーを担ってきた家系。彼が幼少の時には母が当代東京タワーだった。 立派な東京タワーとなるため、日々先代の元東京タワーについて学んできた。 しかし、スカイツリーが出来たことで事情が変わる。母親が首になり一家路頭に迷う羽目になった。最終的に母が自殺した。 今は自分が東京タワーとして復権をもくろんでいる。それまでは、日本一高い塔に返り咲くその日までは、幼いころの夢、猫になることは諦めるしかないのである……！ 先祖代々東京タワー。全く意味の分からないワードである。 しかしこれには正当な理由があるのだ。 彼の祖先は武将だった。 武将は幾度も君主を裏切った末、「その身を東京タワーとして差し出せば罪を許そう」と宣告された。 武将はその知らせを受けるや自らの体に爆弾を括り付け東大寺に自爆ダイビングを敢行し死んだ。 困ったのはその身内である。 君主の機嫌を取るため、自分たち自身が武将の代わりとして東京タワーになり、武将の自爆をそのオープニングセレモニーの一環であると言いくるめることで事なきを得ようとした。君主は武将に甘かったためなんとかなった。 以来、この家系は江戸の街を見守り続けることとなる。余談ではあるが、後の文明開化の際、この土地の名前は、東京タワーがあることから東京と名付けられた。 彼は先祖に縛られた生き方をしている。 ある日彼は先祖が自爆魔ではなかったという説を聞いた。 彼は子孫である自分が爆弾を作ることで真偽の判定に繋がる何かを得ようと考えた。 全国利き林檎選手権6連覇のかかった日、彼はカプセルトイの容器で爆弾を作成し、林檎に混入させた。 爆発を見た彼は確信した。……ああ、爆発って美しい。 彼は先祖の業から逃れられなかったのである。 現在は復讐を果たすべく、とりあえず背を伸ばすことを目標とし、毎日20本の牛乳を飲んでいる。

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