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松井　竹蔵（まつい　たけぞう）　35歳　男　元刑事・現放浪者 基本的にあまりやる気がなく、無気力な人間。現在は狭いアパートで貯金を潰しながら生活している。 五年前に起きたとある事件で腹部と右大腿筋に深い傷を負い、その後遺症は今でも続いている。 事件を解決するために奔走していた過去を思い、やさぐれ、刑事を辞任し今に至る。 五年前、少女誘拐事件が起きた。彼もその同僚たちも全力の限りを尽くしたが、上司からの「強行突破」の命には逆らえず、彼は先陣をきり、犯人が立てこもった一軒家へ突入してしまう。 そのことに激情した犯人は、目の前に現れた彼に発砲。その弾丸は彼の右太ももへと当たった。 その後、犯人はすぐに少女の頭部にも発砲。それを見た彼は、痛みも忘れて犯人にとびかかった。そして組み付いたその時、犯人が隠し持っていたナイフが、彼の腹部に突き刺さった。 その後、彼の意識は痛みの奥底へと消え、気付いた時には病院のベッドの上だった。 そこですべての顛末を聞かされる。少女は即死し、そして犯人もまた、突入した警官によって射殺されたと。 やりきれない思いと大きな傷を負った自分の体に、彼が感じたのは絶望だけだった。 そんな過去を忘れようとしながら、けれど時たま見る夢にうなされて、彼はのらりくらりと生きている。

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