タグ： 談話室卓 あたりめキャラシ

彼女は個人経営で電機修理店を営む家族の、長女として生まれた。 素直な少女は家のために店の手伝いをするのが好きだった。 何度も手伝ううちに仕事を覚え、機械の修理はお手の物だった。 いつかこの店を継ぐ、高校卒業を控え、それが現実になろうとしていた。 その矢先だった。 店が、潰れた。 簡単な話だった。父が騙され大きな借金を背負ってしまったのだ。 父は酒に逃げ、母はやつれ、妹は家出。 どうして、こうなってしまったのだろうか。 絶望の最中、彼女は憎しみを、深く深くその心に刻む。 こんな悪が、何故まかり通るのか。 許せない。 彼女は刑事になると決めた。 この世から、悪を潰すために。 そのためならなんだってする。 感情を出さず、八方美人で振舞い、偽りの言葉を並べて。 悪人を逃さないため、心理学、人を言いくるめる弁論を学び、 常に人間を観察し、話し声を聞き、その精神を分析した。 刑事としての仕事も怠ることは無く、あらゆるものに目を光らせ、資料を洗い出し、調査を限界まで行う。 全ては復讐のため。 今日も彼女は笑顔を振り撒き、巧みな技で悪を欺く。 たとえそれが、悪と同じ技だとしても…… 『黄色いユリの花言葉』………【陽気】【偽り】

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