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気がついたら大都会の雨に打たれていた。薫の記憶はそこから始まる。 薫は人々の噂話や都市伝説が集まり、実体化したRB。 -僕は人間とは違う存在。 その自覚はある。 もともとが人間の負の感情の集合体なので、人間に対していい印象を持っていない。 それでも人間という対象への興味は消えず、絶えず情報を集め続ける。 能力を駆使し、他人の黒い秘密ばかり集める彼は、＜ｵﾌﾞｻｰｳﾞｧｰ＞（観測者の意）のコードネームで裏社会に名を轟かせる。 密談の現場では「おい、＜ｵﾌﾞｻｰｳﾞｧｰ＞に聞かれたらどうするんだ！」という言葉がよく飛び交う。 薫は他者の情報を集めはするが、自分から積極的に関わったりはしない。が、一度興味を持った対象にはとことん執着する。 不器用ながらも、薫なりに人間を理解しようとする行動の現れである。 仕事に関して言えば、報酬を払いさえすればどんな仕事でも受けあう。 薫に恨みを持っている者は多いが、中にはその仕事ぶりに信頼を持っている者もいるだろう。 神出鬼没な観測者は音もなく背後に現れ、急所を撃ち抜く。 非力な彼が裏社会で生き抜くにはこれしかないのだ。 ディメンジョンゲートとポケットディメンジョンを駆使して隠密行動を行う。 床や壁から突然姿をあらわしたり、逆に沈むように消えて行ったりする。 容姿は細身で色白。長めの茶髪。 黒のパンツとタンクトップにシャツを羽織った、フォーマルを着崩したスタイル。 -どんな危険な依頼でも受けるよ。重要なのはそれが興味深いかどうか、だよ。 -タイ焼き？それはなんだ？ -君の秘密を僕は知っている･･･。例えばだけど、この秘密が外に漏れたらどうなるかな？ははは。

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