タグ： CoC もた メンタルセラピスト

気が小さく、臆病な性格の男性。見た目からしてやつれている。 背が高く、ひょろい体格。趣味はオカルトサイト漁り。 小・中・高といじめを受けており、 「シャーペンの芯がＨＢから4Ｂに入れ替えられる」「下駄箱の靴の左右が入れ替えられる」「定規のメモリを削られ読めなくされる」「新品の消しゴムの角を一つ残して使われる」「ブラックコーヒーが好きなのにコーヒーに砂糖を入れられる」 など、様々な嫌がらせを受けてきた。 それでも学校を休むことなく通い続けた。皆勤賞も貰った。そのメンタルはどこから来たのか。 大学では心理療法学を学んだ。 「自分のようにいじめ等により精神的に疲弊している人々の助けになりたい」などという高尚な目的などなく、ただ何となく興味があったから。 大学卒業後、特に高い志もなくメンタルセラピストの道へ。 その見た目から、患者の保護者からの第一印象はあまりよくないが、しっかり信頼関係を結んで治療に取り組むその姿勢と手腕に満足度はそれなり。 主な治療方法は音楽療法で、相手の好きな音楽や、リラクゼーション効果が期待できそうな音楽を流しながらカウンセリングを進めていく。 そのため、音楽の知識が豊富で音楽ソムリエのようなこともできるようになってしまった。 ＴＶでも「音楽ソムリエカウンセラー」などと取り上げられ、なぜかしばしば取材を受ける。 それもあって外で食事をしていると突然 「私○○とか△△とか好きなんですけど、私の好きそうな曲とかないですか～？」 などと話しかけられるようになってしまった。Noとは言えない彼はそれに律儀に答えてしまう。心労は増える一方である。 そのような過酷な環境に彼のメンタルはさらにすり減ってゆく。なぜ彼がこの仕事を続けていくのか、彼自身もよくわかっていない。 カウンセリングが彼自身に施される日も遠くないだろう。

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