タグ： るるはん 高田組

「ブッコミはアタシに任せるッスよ！」 好き：携帯電話、高田組のみんな（とりわけ爆ちゃん）、力仕事、走ること 嫌い：不義理、グリーンピース、レバー、勉強 吸っている煙草：ラッキーストライク 泣く子も黙る高田組の鉄砲玉。その名も武者小路実篤子……とは仮の名前。 孤児院で育てられていた時の名前はみく。18になって退院し、定職に就くわけでもなく、有り余った体力を活かして日雇いで食いつないでいた。そんなある夜、現場の辺りを缶コーヒーを飲みながらふらふらと歩いていると、けたたましい量の銃声を耳にした。顔を上げるとどうやら、暴力団同士の抗争の現場のようだった。 息を殺して隠れ、忍び、銃声が鳴りやむのを生きた心地がしないままに待ちわびていた。慌ただしく去ってゆく車たち、どうやら助かったらしいとドラム缶の奥から顔を出したみくを、見つけたのは高田組と敵対している暴力団の組員だった。彼は敵も味方もよくわからないまま、半狂乱の中で銃弾を放つ。既に立ち込めていた硝煙を切裂き、それは音速を遥かに超える速さで彼女の肩口を射抜いた。 人気の少ない埠頭に響く悲鳴。肩に空いた穴から流れる赤色。ちかちかとした白色で満たされる視界。更に叫ぶ。感じたことのない痛みが全身を駆け巡る。脳裏に浮かんだ「死」の一文字。いやだ死にたくない。叫ぶ。コンクリートの上。ごろごろと転がることが、みくにできる精一杯だった。意識を手放す最後、顔を覗き込んだのはフルフェイスのヘルメット。嗚呼、もうおしまいだ、とどめを刺されるに違いない。二度と来るかわからない目覚めを祈りながら、視界はホワイトアウトしていった。 そして目を覚ますと、みくはベッドの上にいた。痛む左肩、傍らに座っていたのはフルフェイスマスクの中年と、心配そうな顔をして顔を覗き込んでいた青年だった。彼に事情を聞くと、あの後無関係の人を巻き込んでしまったと慌ててマスクの男がバイクで運んで治療を施してくれたらしい。みくは彼らに対する恩義を覚え、高田組に忠誠を誓う決心をする。 可愛らしい名前じゃナメられると考えた結果、残念なオツムが炸裂。歴史に名を遺す文豪の名前を中途半端に流用し、とんでもない名前を名乗ってしまった。 しかしなんやかんやこれがウケて、現在に至る。

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