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赤嶺 椿(あかみねつばき)
ID:1739997
MD:c805b8383e6a275fc8a4041467aaa430
赤嶺 椿(あかみねつばき)
タグ:
みおん
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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APP
SIZ
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初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
特徴表3-6 格闘センスの持ち主(適用せず) 経験シナリオ 飼育匣、CALLING→SAN0ロスト 懺悔に哭く 僅差平行のヴェルダンディ Dear My… ●誕生日 1/18 ●一人称「ボ↓ク↑」 ●経歴 ※「飼育匣」がっつりネタバレ、「CALLING」微ネタバレ 彼は、物心ついたときから父方の祖父母に育てられていた。彼らは優しく、椿を大切に育ててくれたが、疑問というのは当然湧くもので、小学校に上がったばかりの頃、1度、なぜ自分には両親がいないのか、と祖父母に尋ねたことがあった。しかし、ひどく悲痛な表情をして押し黙る彼らを見て、「これは聞いてはいけないことなんだ」と子供ながらに理解し、以降その疑問を口にすることはなかった。そんな彼には、「まーくん」という遊び相手がいた。20㎝ほどの、赤いクマのぬいぐるみである。彼にとって「まーくん」は、気づいたときには一緒に居た、大切な家族だった。中学に入るまで、毎晩抱いて眠っていたほどだ。中学では、空手部に所属した。周りの人が自身を評すのに、「かわいい」という言葉を使うことが多いのを気にしていたためである。ここで彼の予期せぬ才能が開花する。小さい頃から空手を習っていた経験者たちが全く敵わぬほど、その実力をめきめきと伸ばし、全国大会で上位に名を連ねるまでになった。そんな彼の様子を見て、彼の祖父母は、「おまえももう強くなったのだから」と、父親は事故で亡くなったこと、生き別れの兄がいること、「まーくん」は母親が兄弟で色違いのお揃いになるようにと、椿が生まれる前に手作りしてくれたこと、兄と母親は新しい父親のもとで幸せに暮らしているらしいことを、彼の14歳の誕生日に伝える。彼は当然、とてつもない衝撃を受けたが、空手で鍛えた精神力のおかげか、今までこのことを言わずにいた祖父母を恨むこともなく、母や兄がいるなら、会ってみたい。と前向きに捉えることが出来た。そんな折、彼の祖父母が相次いで病に倒れ、そのまま亡くなってしまう。とてもではないが、母や兄を探しに行くどころではなくなってしまった。その後彼は、神奈川の小さな街にある父方の遠い親戚の家で暮らすこととなる。生まれ育った土地を離れ、それまで慣れ親しんできた「天笠(あまかさ)」という苗字は「赤嶺」に変わった(親戚の苗字である)。心細さはあったが、新しい自分の部屋の机に「まーくん」を飾り、時折それを幼子のように抱きしめ、気を紛らわせた。高校でも空手部に所属し、ついにインターハイでの優勝を飾る。親戚ももちろん心からの祝福をしてくれたが、やはりどこか、「本当の家族」とは呼べなかった。母や兄を恋しくも思ったが、もとより住所も分からず、親戚への負い目もあり、高校時代も本当の家族を探しに行くことはなかった。 彼は勉強ができないわけではなかったが、大学に行くことははなから諦めていた。学費の面で親戚に負担をかけるわけにはいかないと思ったからだ。高校卒業後、親戚のコネ+身体能力の高さを買われ、地元の民間の警備会社に就職し、要人の身辺警護を担当してきた。一般的でなくまた危険な仕事であるため、会社外の人から仕事を聞かれたときは「保険屋のセールスマンです」と答えていたし、そのための名刺も持ち歩いていた。しかし彼に「人を欺いてやろう」という気はまったくなく、純粋に余計な詮索をされないため・そして心配させないためである。彼は心根の優しい青年であった。 8月のある日、彼が仕事の昼休憩に街に出たとき、頭の中に声が響き、そのまま視界が傾いたかと思うと、同年代の男性5人と共に知らない空間で目覚めた(「飼育匣」)。訳の分からない事態に次々見舞われる中、彼は運命的な再会を果たす。その空間には、何故か彼の部屋が再現されており、そこには当然のように「まーくん」も居た。他人に自分の意外な趣向を見られたことに慌てる彼に、一緒に行動していたうちの一人、冨樫誠司が神妙な面持ちで「家族構成を訊いてもいいか」と尋ねてきたのだ。多少訝しみながら、「今は親戚と暮らしているが、兄がいたはずです」と答えた彼に、誠司は自分こそがその兄であるという。彼も、「まーくん」と色違いのクマのぬいぐるみを持っている、というのがその根拠だった。それを聞くと、今まで堪えていた思いを溢れさせるように、椿は「──兄さん!!」と誠司に抱きついた。「もう大丈夫だ」と言う兄の腕に顔を埋め、「兄さん、会いたかった…」と、椿は静かに涙を流した。 ようやく会えた兄や他の3人と共に、決意も新たに彼はこの空間からの脱出を目指す。しかし、この空間を形成していたのは、他でもない、仲間だと思っていた七福轍だった。「俺は、お前の兄弟には残念ながらなれん。何故なら、俺には…“大事な”弟がすでにいるからな」と、轍に向かって言う兄の言葉を聞き、彼は一生兄を信じ抜くと決めた。 彼はこの空間から脱出した後、気を失った場所で目を覚まし、兄とも再び離れ離れになってしまったが、兄の警視庁勤めだという言葉を思い出し、直接電話をかけて、無事現実世界でも再会することが出来た。その後、兄とは頻繁に連絡を取り合い、自分の本当の職業についても明かした。また月に一度は外で会って食事をするなどしていた。椿が神奈川住み、誠司が東京住みなので、会う場所は専ら東京であった。この歳までロクに東京観光もしたことがなかった椿に、兄が東京タワーなんかを案内してくれたかもしれない(してくれてたらいいな)。→この記述を受けて、「飼育匣の後、2人が初めて予定を合わせてゆっくりと会い、東京を観光する」という体で望月さんと実際にRPしました。内容は以下参照。 ●椿と誠司 初めての東京観光ハイライト 神奈川から東京へと電車でやって来る椿。改札で10分前から待っていた誠司。お互いの姿を見つけると、それぞれ顔を綻ばせて駆け寄る。東京にロクに来たことがない椿のために、東京に住んで長い誠司が観光案内をしてくれる。 が、昼食の店を予約できておらず、誠司が自分のマンションでパンをトーストしてくれるが焦がす(DEX×5失敗)。 マンションから割と距離があるのに弟が来てくれた嬉しさでタクシーで上野動物園に向かう誠司。が、やはり到着後お財布がさみしくなりトイレに行くと言ってコンビニのATMでこっそりお金をおろす。 上野動物園では、パンダ→ゴリラ→キリンを見て回る。パンダの前の人ごみがすごく、誠司は椿と手を繋ぐ。椿は恥ずかしがるが、誠司の「もう、離れないようにな」という言葉が彼(と中の人)の心にクリーンヒット。手を繋いで回ることに。 動物園のあと、ソラマチへと向かう。2人を再び出会わせてくれたテディベアに、何か飾り付けるものを探そうと雑貨屋に入る。そして、お互いのテディベアの色のリボン(赤と青)を買って、交換して付けることに。 夕飯は椿のリクエストで寿司屋へ。誠司はこっそり、超高級店を予約していた。店構えから値段を心配する椿に、誠司はお前は心配するな、と笑顔で見栄を張る。それでもやはり椿が遠慮してしてるのを見ると、誠司は椿のために大トロを頼んでくれた(そして自分は鯖とか安いやつを食べる)。「家族で食べる飯はうまいな」と言う誠司に「うん…やっぱり、ほんとうの家族っていいな…」と、椿は嬉しさで泣きそうになるのを隠すように目を伏せた。会計はやっぱりすごい額になったけど椿は目星を失敗したのでわからなかった。 夕食後、スカイツリーへ。2人が一番高い展望スペースまで登ると、幸運なことに閑散としている。夜景を見ながら、ここで初めて兄に本当の職業を明かす椿。職業を偽っていたこへとの罪悪感を吐露する椿の頭に誠司はポンと手を置く。ここで彼の抑えていた感情が溢れ出す。「…さみしくないなんて嘘だよ」といいながら泣き出す椿。「親戚の人たちはいい人たちだけど…でも、やっぱりどこかほんとうの家族とは思えなくて…」 「…これからは、支えあって生きていこう。俺たちは、二人きりの兄弟だからな」ここで誠司は両手を広げる。 抱き着く椿。 「大丈夫だ。これからは、兄としてお前を守ってやるからな…」 「兄さん、会えてよかった…」あの時のように静かに涙を流す椿を、誠司は優しく抱きしめていた。 ──── 相変わらず負い目はあったので、赤嶺家の人々には「兄が見つかった」とは言わなかったし、今の家庭を壊しては悪いと、実の母親に会うこともしなかった(誠司くんには何度か「会ったらいいんじゃないか」って言われてそう。少し困った顔をして、「うーん、そのうちね」って返してたのかな(妄想))。彼は、兄さんに会えるというだけで幸せだったのだ。(ブラコンですね。あんな場所で運命の再会をしたら、ほぼ初対面だったとしてもその場で即ブラコンにもなりますよね。誠司くんも隠してるつもりだけど隠しきれてないブラコンですね→追記:「隠してるつもり」どころか一切隠す気のないブラコンだった。デレデレ。) 春を少し過ぎたころ、彼は奇妙な耳鳴りに悩まされ始める(「CALLING」)。兄さんには余計な心配を掛けたくない、という思いから兄にも相談してはいなかったが、当初はうっすらとしたものだったその耳鳴りは日が経つにつれ強さを増していった。そして、ついにある日、彼にとって2つ目──最後の事件に直面することになる。 自分と同じ境遇の人物が他にもいることを知った彼は、もしや今回のことも以前経験した不可思議な事件の類なのかと考え、唯一信頼・相談できる兄に電話し、耳鳴りのこと、その日からかかってくるようになった不審な着信について打ち明ける。兄はひどく動揺した様子で、下手をすれば仕事を放り出して会いに来かねなかったが、他の協力者がいること等を説明しなんとか思いとどまらせ、事件に立ち向かうためのアドバイスと勇気をもらった。電話を切る際に「おやすみなさい、兄さん」と言うと、兄は少し照れたように「あ、あぁ、おやすみ」と返してくれたが、これが兄弟が交わした最後の会話となってしまった。 そして3日後、彼を含めた5人の奮闘も虚しく、抗いようのない災厄が彼らの住む街を襲った。 1つの街の住人のほとんどが自殺し、残った人間も発狂している、という知らせを受けて、周辺の街から警察が駆け付け、調査にあたったが詳細は分からなかった。そしてこのとき、兄も警察としてこの場に来ていた。街の名前を聞いた時点で内心穏やかではないどころではなかっただろうが、生き残った人間の捜索のために登った電波塔の上で、生気のない目をして倒れ込む弟の姿を見つけたときには──── 椿は、保護されたほんのわずかな他の住民と共に、都内の鳥乃巣大学附属病院の精神科に入れられた。兄は、忙しい仕事の合間を縫って見舞いに来てくれたが、抜け殻のようになった彼は何も反応を示すことはなく、かと思えば、時折意味をなさない言葉をぶつぶつと誰にともなく呟いた。そんな彼を見続ける兄の精神状態がどうであるかは、想像に難くない。 ──後に彼の担当医となった鳩原雲雀と、SAN値を削ってなおこの現実を受け入れきれていない兄・冨樫誠司が他数名と共にある事件の調査に赴き、そこで一波乱が起こるのだが、それはまた別のお話…(「人殺しの家」改変) ●「飼育匣」秘匿HO内容 あなたは産まれてすぐに、血の繋がった兄と生き別れています。理由は母が自分を妊娠中に父親を事故で亡くしたため、経済的な問題から、出産後に自分は父方の祖父母に預けられ、兄は母親に連れて行かれたからです。 その後、あなたは祖父母に大切に育てられましたが、中学生の頃に2人が順に亡くなり、その後は父方の遠い親戚のもとで暮らしました。家族と呼べるほどではありませんが、あずけられた親戚との関係は良好です。 (現在の名字(注:赤嶺)は親戚のもので、祖父母の名字(注:天笠)ではありません) 生き別れの兄がいることを知ったのは中学時代です。祖父母から聞かされました。同時に、母親は再婚していて、新しい家庭を築いていることも教えられます。 今の生活に不自由はありませんが、時折離れてしまった兄や母親を想うこともあるでしょう。 あなたの部屋には、自分が産まれる前に実の母親が【兄弟で色違いのお揃いになるようにと、手作りしてくれたクマのぬいぐるみ(高さ20㎝ほどの大きさ)】が大切に置いてあります。 ●ペンギンさんオリシ「懺悔に哭く」(ロスト供養)にてSANに加え肉体もロスト。 一時の夢の世界で最期に、正気の状態で最愛の兄との会話ができたのは、彼にとってこの上ない幸せであったことだろう。 咲き誇る椿の花の前で、兄弟は別れを惜しむように、ひとつひとつ言葉を紡いだ。涙を流し、お互いを抱きしめあいながら。 「大好きだよ、兄さん」 「俺も、大好きだよ…椿」 後日、晴れ渡った空の下、彼の墓石の前で、珍しくタバコをふかす兄の姿があった。 ●「僅差平行のヴェルダンディ」KPC 「もっと兄さんと一緒に居たかった」 ずっと、ずっとしまっておくはずだったその想いを、大粒の涙と共に吐露した。 その相手は、もうひとりの「兄さん」と呼べる人だった。 自分と同じ境遇で、自分と同じ事件に巻き込まれた人物、天海大地。 生者と死者。交わるはずのない2人が出会ったのは、何の偶然かはわからないが。2人は束の間、「兄弟」となった。 「──おやすみなさい、兄さん」 「おやすみなさい、椿」 柔らかい夕日の中で最期の言葉を交わし、2人は別々の道を歩んでいく。 しかし──交わった世界は、交わったままに、なったのかもしれない。 ――――――――――― 以下IF世界線(CALLINGを通過した世界線)のおはなし 「スーサイデッドメアリンク」「RESPONSE」「リンクヴェルトゲンガー」 微ネタバレ有 「スーサイデッドメアリンク」(KPC) エンドAにて生還 IF世界線限定AF:トパーズのブレスレット(トパーズの石言葉は「友情」「成功」「希望」「誠実」) →身につけているとき、兄さん(冨樫誠司)に対する精神分析、心理学の値に+10 「RESPONSE」END2にて生還 IF世界線限定呪文:*<吸引>の呪文 魔力(MP)を帯びた物品の中に任意の対象を吸引する呪文。 魔力を帯びていないものに吸引する事は出来ない。呪文の使い手を中に封じる事も出来る。物品に込められたMP×5で成功値を判定する。 一回の使用につき1d5の正気度を喪失する。 「リンクヴェルトゲンガー」(KPC) エンドAにて生還 EX Ending ~生まれてきてくれてありがとう~ 誠司は、いつも通り、自分の部屋で、目を覚ます。 今日の夢には、1年前に喪くした弟、椿が出てきた。珍しいことでは無い。 「弟を忘れないこと。思い続けること。」自身のその決意が、そうさせているのかもしれない。 ただ、「椿が出てきた」ということ以外、夢の内容はかなりおぼろげであった。 朝の身支度をしようと居間に向かった彼の目に、ソファーに置いてある、一対のくまのぬいぐるみが映った。 「…まーくんを、ちゃんと持っててよね。もちろんくーちゃんも!…ボクと兄さんの、絆の証なんだから…」 ひと時の夢のようなあの世界で、弟と交わしたその約束通り、「まーくん」を部屋に迎え入れてから、いつも変わらぬその光景。しかし、ほんの一瞬、「まーくん」が、ふっと穏やかな表情になったように見えたのは、気のせいだろうか。 やがて、身支度を終えた誠司は家を出る。ドアを開けると、すっかり冷たくなってきた風が、かすかに頬を撫ぜた。季節は、11月。冬に差し掛かったところだ。 道端に、椿の花が咲いていた。それを見遣ると、ぴた、と彼の足が止まる。しかしそれもほんの少しの間で、 その花から視線を外した彼は、どこか晴れやかな表情を浮かべながら、再び歩き出した。 もうすぐ、彼の一周忌だ。少し気が早いかもしれないが、今日の仕事が終わったら、弟の墓前に、花を供えに行こう。そんなことを、思いながら。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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