タグ： 藤葛

失くすことを怖がる少女。 誰も近寄らせない、誰にも触らせない。優しすぎるから怖いものがいっぱい。 その優しく臆病な心は、きっと姉妹に届くはず。 身体はほとんど機械仕掛け。 エンバーミングを施した顔には不相応な、血塗れた身体。それだけが彼女が生き物であることを知らせてくれる。 腕の機械仕掛けはドリルへ変貌する武器。足だって機械だから、踊り続けるには何の阻害にもならない。 その舞はとても可憐。腕も足も、伸ばすのは自由自在。そしてそれは、祈りにも近い行為。 置いていかないで、一人にしないで。 そのために私、頑張るから。 【セッションなう】 視界が白く染まってゆく。思考が黒くにじんでゆく。 必死に喉と床を掻き助けを求めるが、声が出なくては誰にも気づかれない。 思考の端にあの子が映る。ずっと私をだましていたの？ 許せない、自分は今までずっと苦しみに耐えてきたのにこんな仕打ちは許せない。 苦しい、誰か助けて。わたしは悪くないのに！

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