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田中彼方は大学４年生の時１度死んだ。謎の事故に巻き込まれたのだ。そして生き返った、腕が獣のように変化して。 以前から周辺で事故や災難が続いていた。何かがおかしかったのだ。そしてとうとうこの事故で親友を失ってしまった。 彼は失踪した。この事故の原因は自分だ。これ以上周りを巻き込みたくない。親友の亡骸を見つめ、そう決意した。 失踪後は全国を放浪した。バイトをしながら数年間、ＭＴＢに乗って各地を転々とした。 逃亡するような生活の中で、自殺衝動に駆られながらも、自分に起きた変化や事故のことについて色々調べ、考えた。 「どうやら自分と同じような異常な力を持つ者が少なからずいるらしい。 　ネットや都市伝説では、その力を持つ者たちが世界中にいて、敵味方に分かれて戦ってるそうだけど(笑)。 　変な事が起こりだしたのは、兄に無理矢理遠く離れた病院に連れて行かれた頃からだ、か…かみ、神城病院だったか。 　死んだ親友と圭と俺は、３人でよく遊んだ仲間だったけど、圭の様子がおかしくなったのもその頃だったような。 　急に避けられるようになって。あの時の、まるで例の事故が起こるのを知っていたような態度は何だったんだろう？ 　そういえば、早月ちゃん元気にしてるかな。本当に頭の良い子だったなぁ。……皆に会いたい…」 死ねば楽になるとも思うけど、この身に起きたことは何なのか真実を知りたいとも思う。 真実が明らかになれば、また元の暮らしに戻れるかも知れない…一筋の希望が彼を何とか生かしている。 ①現在はＮ市で自転車配達のバイトをしながら、ネカフェで寝起きして1ヶ月ほど過ごしている。 あるバイト休みの日、公園で呑気にコンビニ弁当を食べていると、車に轢かれそうな子供を助ける犬を見かけた。 しかもその犬はその姿を巨大化させて子供を助けたのだ。「俺と同じような力？を持った犬が人助け？？」 子供に聞いたら、公園によく居るシロという犬らしい。シロのことを調べれば、何か自分のことが分かるかも知れない。 「よし、俄然やる気が出てきた！」 ②な、なんと、自分はレネゲイドというウィルスに侵蝕されてるらしい！この変な力もこのウィルスのせいらしいのだ!! シロの事件がきっかけで、ＵＧＮって組織がそれを教えてくれた。それどころか、自ら破壊した手まで治してくれた。 退院後、自転車配達のバイト生活に戻ったが、依然と変わったことが２つある。 １つは、ネカフェを出て、ＵＧＮの管理するアパートで、シロと一緒に住み始めたこと。 そしてもう１つは、バイトの他に、ＵＧＮの仕事も引き受けるようになったこと。 ＵＧＮに対する恩義もあるけど、この組織に関わっていた方が真実に近づける…そう思ってのことだ。 早速、初めての仕事が飛び込んできた。「神城製薬…。ん？何か聞いたことあるような…」 ③

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