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《データ》 犬鳴 吾郎はUGN職員同士から生まれた、天性のUGNチルドレンだ。 両親から"一般人"として生活するための教育を施されており、ﾚﾈｹﾞｲﾄﾞｳｲﾙｽやｵｰｳﾞｧｰﾄﾞのような超常の力についての存在はしばらくの間秘密にされてきた。 当時の生活はお世辞にも恵まれているとは言い難い環境ではあったが、心優しい父母に囲まれていた犬鳴にとっては金では買えない価値を家庭に見出していた。 しかし、ある時事件が起こる。 ある日の学校の帰宅時間、犬鳴はいつものように寄り道せずに真っすぐ家に帰る。 だがそこには、犬鳴を迎え入れてくれる玄関も、家も、父も、母も、すべてが炎上していた。 その後、犬鳴は別のUGN職員に引き取られ、そこでﾚﾈｹﾞｲﾄﾞｳｲﾙｽやｵｰｳﾞｧｰﾄﾞの存在を知り、両親は何者かによって殺害されたことを告げられる。 「―赦せない。何故父さんと母さんは殺されなければならなかったの？」 血が脈を打ち、身を焼き尽くすほどの怒り。 ｵｰｳﾞｧｰﾄﾞとして覚醒した犬鳴は、己の秘められた力を使い真犯人を必ず見つけ出すことを心に決めた。 表の顔は高校生探偵、裏の顔は両親の復讐を誓ったハンターとしてどこまでも犯人を追い詰める。 《ジャーム》 彼の夢は叶った 例え愛情が歪んでいようと愛しい人が隣にいる限り彼の幸福は永遠に続く 文字通り彼と"一つ"になれたのだから 《↓経験（秘密）↓》 《秘密》 犬鳴の両親を殺害したのは犬鳴 鳴本人である。 当時、中学生だった犬鳴は同級生である矢神秀人に恋をした。 今まで殆どすべての人間が同じ顔に見えていたが、矢神だけが違って見えた。 しかし、貧乏で凡庸な才能を自覚していた犬鳴は矢神との恋愛は諦め、矢神と一言も交わすことなく初恋は失恋に終わったのだった。 そんなある日、家の手伝いをしていると両親の部屋からある資料を発見する。 ﾚﾈｹﾞｲﾄﾞｳｲﾙｽやｵｰｳﾞｧｰﾄﾞについての資料だった。 「…これだ。この力さえあれば矢神君は振り返ってくれる...!!」 この時から犬鳴はｵｰｳﾞｧｰﾄﾞに対して異常に執着するようになり、覚醒の対価に両親の命を差し出すことを決断する。 その翌日に犬鳴は両親を殺害し、帰宅時間に家に火が着くように細工をした。 犬鳴は両親を殺害した事による記憶を封じ込め、直接UGN職員の口から両親の死を告げられることによってｵｰｳﾞｧｰﾄﾞの覚醒に至ったのだった。 （記憶の封じ込めはｵｰｳﾞｧｰﾄﾞ等による特殊能力は使わずに、一途に矢神に対する想いと努力によって賜った効果である） 今はまだ過去の記憶は戻っておらず、永遠に見つかる事の無い真犯人を犬鳴は探し続けている。

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