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一人称が定まらない。つぎはぎにして自分の部分を減らしていったら自分がわからなくなった人形。 「私はシャオシュ……じゃなかった、フォイェン、忘れないうちに覚えてね。」 姉妹たちとの行動を今の幸せと考えておりその幸せを守るために行動する。 「あたしの好きなこと？歩くこと……だったかな？いやみんなで遊ぶこと……だったかも」 「僕たちがどうしてこんな姿なのかはわからないけど、自由なのはいいことだよ。誰だかわからないけどあたしたちをこんな目にあわせたやつには感謝しておかないとね。」 姉妹、ひいては自分の幸せが第一であり、それを得るために他人を害することを厭わない。それが理不尽であっても。 「あなたとても幸せそうね。私、幸せそうな人を見るのが大好きなの。なんだかそれだけで幸せをおすそ分けしてもらえそうじゃない？いいなぁ、羨ましいなぁ。ところであなたの足、すごくきれいね。それ俺にくれよ」 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- 思い出せる記憶はどこかで鎖に繋がれた時に夢想した鮮やかな世界のことだけ。 羨ましい。きっとどこかの誰かは無機質な鎖に繋がれたりせず誰かと手を繋いでるのだろう。 羨ましい。きっとどこかの誰かは寒い部屋で蹲ってないで暖かな日差しで伸びているのだろう。 羨ましい。きっとどこかの誰かは鋭い刃を振るうことなく柔らかい毛布にくるまって一日を終わるのだろう。 羨ましい。きっとどこかの誰かは誰かに束縛されることなく自由に生きているのだろう。 私は鎖に繋がれた私なんていらない。どこかの誰かになりたい。幸せな誰かになりたい。 そんな願いが通ったのか鎖は切れてて、私は生まれ変わった。死んでるけど。 幸せかどうかはまだわからないけれど前の私よりは幸せだからこの幸せを守るためには私は何だってしよう。 なに、幸せじゃなくなったら少しずつでもまた生まれ変わればいい。

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