タグ： 混沌 中立

Z市では珍しい穏やかな顔をした精悍な好青年。 しかし彼の心中は穏やかではない。 その渋いバリトンボイスの裏には途轍もないド変態が隠れている。 Z市では毎週金曜日になると本能Z寺から除夜の鐘の音が聞こえる。 これは一週間の登校で妄想してしまった煩悩の数だけ忠明が鐘をついているためである。 その数は大体108前後に収束するが、2桁で収まった週は事情を知る市民のどよめきが聞こえるという。 女性に対峙すると態度や表情は変わらないが滝のような汗をかく。 また女性と喋っているときは言葉の間にかなりのクールタイムが生まれる。 本人曰く煩悩を殺す為にフィボナッチ数列の事を考えているという。 しかしそれでもなお週に108は煩悩に支配される。 オーヴァードに覚醒したのは5年前の朝の瞑想中。 当時中一の忠明は昨晩見たクラスメイトの女子の淫靡な夢で悶々としていた。 しかし今は瞑想中。彼の為だけに雇われている剣道家は今日も彼の肩にノンストップで棒を振り下ろしている。 そしてまた忠明も必死に煩悩に抗おうと脳を酷使していた。 その結果彼の体は紅蓮の炎を纏い、寺の本堂を半焼させ、御神体を焼失させた。 UGNの検査によるとレネゲイドの性質は明らかにノイマンの物だが、発現しているのはサラマンダーという特殊体質らしい。 精密検査のために一度アールラボに送られたが、"ラフレシア"から「あんたおっかしいよ」と真顔で言われたらしい。 因みにその週は鐘が239回鳴り、流石に苦情の電話が大量に来たそうな。

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