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中小企業で経理を担当するOL。 幼少期からミュージシャンを志していたが、金銭面を理由に夢を諦めて普通の人生を選んだ。 片親で、幼く腹違いの弟と妹が1人ずつ。 必死にパートで働く母を支えるために、学生時代からアルバイトと家事に明け暮れながら、夜には路上で歌い続ける日々を送っていた。 学校に行けない日も多く、夜のストリートで頻繁に目撃されたため、学校では「不良」「援助交際をしている」などと噂されていた。 容姿も歌もそれなりではあったが、その世界では平凡の域であったため、僅かながらのファンはいたものの、デビューには至らなかった。 高校卒業後、弟と妹の生活と自身の夢を天秤にかけ、夢を諦めてOLとして働き始めた。 周囲には夢を完全に諦めたと話しているが、心の奥底では未練が残っていて、未だに相棒のアコースティックギターを捨てられず、街中で流れた曲をつい口ずさんでしまう癖がある。 噂に惑わされず偏見なく接してくれていた優のことを大切に思っているが、反面夢を叶えるだけの才能と環境に生まれ育った優を妬ましく思っている。 しかしそれは、蓋を開けてみれば優と対象に夢を諦めてしまった弱い自身への怒りからくるものであり、それがわかっていてもなお湧き上がる嫉妬心に嫌気がさして、その度に自分自身を責めている。 20代を折り返したため、同年代が次々と結婚している最中、灰色の青春時代を送っていた影響であまり色恋沙汰に興味関心を示さない。 最近では母からも催促され、誰のせいだと行き場のない拳を抑え、悩みの種の1つになっている。

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