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細々と、だが脈々と現代まで続いてきた神社の氏子の家の息子。 長男坊のため、幼い頃から 「お前もいずれはこの神社を継ぐのだから 『ちゃんと』生きなさい」 と教えられ、教えに則って生きてきた。 あるとき、懇意にしている医者から 「あなたの身体では一生子どもは望めない」 と告げられる。 以降、身内からは 「繋げられないお前に興味はない」 と言わんばかりの冷遇を受ける。 『ちゃんと』生きることを諦めた彼は、 それからというもの、 さみしさをうめるように 次から次へと女性をとっかえひっかえ。 それでも彼の心はさみしいまま。 「もうお前を貰ってくれる人のところへ行け」 ということで見かねた身内が お見合いの場を設けることに。 自分と関わる女性はなんてかわいそうだ、と思いながらも 関わらずにはいられない。だってさみしいからね。 煙草は色んな人の香りをごまかすため。 ポラロイドカメラは好きなものの一瞬を切り取るため。 くそうこのやろうほっとけない……！ と母性くすぐる系の厄介な男。 太宰治とか光源氏(わかいころのすがた)とか たぶんなんかそんな感じのタイプ。 (蛇足) 不治の病に冒されている。 藤だけに。 彼の周りの人たちは皆それを知っており、 「自由に生きなさい」 という気持ちを込めて自由にしてやっている。 (口下手だし思っていても それが態度に全く現れない人たちばかりだから、 彼は「冷たくされている」と誤解している) 見合いも、この人の寿命がそろそろヤベエ みたいなところもあって、 「さいごになんか思い出……？つくるか……」 みたいな感じで設けられた。たぶん。 かわいそうなひと。 1/31生まれ

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