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「言葉って、不思議。 知れば知るほど、この世界のことを認識できるから」 夢海路 浅奈（ゆめみじ　あさな） 　現在売出し中の作家。活動期間は３年ほどだが、出版した小説は戦記、ホラー、推理モノと幅広い。ジャンルに囚われないマルチ作家。 　会う者に清廉な印象を与える、落ち着いた雰囲気の女性。声色は小さく、しかし窓の外の雨音のように優しく穏やか。顔立ちもかなり整っており、表情豊かではないが、そこにいるだけで可憐な花のよう。 　誠実で清楚、奥ゆかしく物静かだが、少し無気力的なところがあり、基本的に怠惰である。だが本質的には常に好奇心で満たされており、思い立ったら行動し、興味のあることにはとことんのめり込むタイプ。そうと決まれば思い切りのいい性格でもある。 　生まれつき足が弱く、特注の歩行杖をついて歩いている。そのため運動は得意ではない。 　静岡県は伊豆の出身。海にほど近い町で生まれ、波の音を聞いて育った。実家はそこそこ裕福であり、かなりいいとこの高校に進学したあと、見識を深めるということで海外のとある大学に留学した。友人曰く、それから雰囲気が少し変わった――昔より暗くなった、らしい。 　日本に戻ってきてから高校時代に作っておいたコネで作家を始め、海外で書き溜めていた作品で爽快なスタートダッシュを決めた。ペンネームは“聖 夜海”である。 　作風は幻惑的で、一見素朴な文章だが、知らず知らずの内に読者は惑わされている……というのは出版社のウリ文句。日本古来の古風な表現にこだわっており、横文字をあまり使わない特徴がある。 　取材と称して旅行に出たり、色んな人物と会うので、交友関係は意外と広い。 　推理作家としての知識と経験をアテに、友人たちからちょっとした謎解きの依頼を持ち込まれることもある。 　現在は東京都の片田舎のマンションに部屋を借り、ひっそりと暮らしながら作家生活を送っている。締切は破るためにあるものと認識している。 　食事は手間暇を惜しんだ非常に簡素なものを自炊し、普段着も華美ではない地味系が多い。 　実は彼氏がいるらしい。

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