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彼女は、とある養護施設で育った。 記憶もない頃に親に捨てられ、拾ってくれたのがそこだった。 家族に、「みんなの絆を強く、紡いでくれますように」とこの名前をつけられた。 家族からは、みんなのことをやさしく見守ってくれる、名前通りの子だと評価されていた。周囲の反応も良かった。 そんなある日、彼女が15になる誕生日のことだった。 養護施設にある男が入ってきた。なにやら怪しい男で、職員さんが応対しにいった。 次の瞬間には、職員さんは死んでいた。そしてそのまま男は銃を振り回し、何人かの兄弟が死んだ。 彼女が覚えているのはそこまでで、次に覚えているのは。 壊れた「我が家」と泣きじゃくる「兄弟」、「血」にまみれた自分の手足。そして瓦礫に埋もれた「あの子」だった。 その直後に彼女はUGNに保護された。聞けば、施設の崩落も彼女が起こしたものだった。オーヴァードとして覚醒し、散々男を一方的に叩きのめして、その勢いで施設も崩壊してしまったらしい。あの子は崩壊のときに巻き込まれて、そのまま助けるのも間に合わなかった、とのことだった。 次の日から彼女の環境は変わった。UGNに所属し、自分の力の制御の仕方を覚えた。戦闘班にスカウトもされたが、また暴走して誰かを殺してしまうと思うと怖くて、辞退した。 そして彼女は施設に帰った。今度はもう暴走しないように、あの子の分も誰かを守ろうと。 ・・・余談だが、男を殺したあの日あの時。 彼女は笑っていたそうだ。それも、とても楽しそうに。笑いながら、踊りながら、男を少しずつ、いたぶるように殺したらしい。 HO3 カヴァー:自由/ワークス:UGNエージェント あなたはUGNの保護下の孤児保護施設の職員でありエージェントだ。 いつも通りのやや慌ただしい日常を送るあなただったが、何事か、あなたに緊急召集の連絡が入る。 最近、施設を抜け出しては何かをしている子がいるので話を聞こうと思っていたのだが…。 ロイス【月波弥優】感情:自由/自由 「壊れていても狂っていても、私自身が間違っていようと、兄弟を守ると私はあの日に決めました。」 「この世界は壊れている。間違っている。こんな力などなければ、私があの子を殺めてしまう事もなかったでしょう。 でもそれでもこの力がなければ、私は兄弟を守ることもできなかったでしょう。きっと懺悔する事もなく、もっと大きな過ちを犯してしまったかもしれません。 ならば。ならばせめて、この力は兄弟を守るために。兄弟の行く道が、幸せなものであるために。 兄弟の壁になる物を、壊してあげるために生きましょう。 兄弟の壁になる者を、殺してあげるために生きましょう。 それが兄弟の幸せになると信じて。」 「・・・私ですか？まあ私には幸せな結末は間違いなく訪れないでしょうね。でも、それでいいのです。 一生をかけて懺悔して、一生が過ぎて尚も懺悔し続けて、それでもきっと許されない程の重大な罪を抱える覚悟はできています。 それが兄弟の為に、兄弟の幸せになるならば、私は地獄の先へでも参りましょう。」 彼女が、兄弟を置いて殺しにいったことに気がつく日は来るのでしょうか。

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