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日比野澪の高校に転校してきた、17歳の少女。 薬剤師の父親・呉敷霧矢(きりや)を持ち、小さな薬局の跡継ぎを目指す成績優秀な高校生。 女子らしく、いつもコンパクトミラーを持っている。 その正体は、鏡の中の異形と手を組み、薬物や音波で相手の脳をジャックすることを得意とするオーヴァード。 転校してきた理由も、UGNから命令を受けたから。 すでにUGNチルドレンとしての課程は全て終えているが、今度はエージェントとなった際に任務を円滑に遂行出来るよう、一般人に馴染む訓練をしている。ゆえに、学校を半年～1年おきに転々とさせられている。 同じような境遇で、金髪ツインテールの友人がいる。 戦闘の際には、異形を喚んだコンパクトミラーに仕込まれた針を腕に刺し、「Let's MORPHINE！(レッツモーフィン)」と気合を入れることによって異形の力を自身に注入。 異形の姿をそのまま身に纏ったような、「仮面ライダーヴィオラ」に変身して戦う。 彼女が生む霧状の物質は多様な効果を持つため、彼女の正体を知る者からは「五色の毒霧」と呼ばれている。例えば、ワーディングそのものに特殊な構成のヘロインを仕込み、敵の動きをを鈍くさせることができる。 呉敷家は、先祖代々、特異な才能で諜報・暗殺をこなしてきた忍の家系。その才がレネゲイドウイルスによるものと判明していなかった頃から、標的の状態を意のままに操る術を持っていた。身体を操る仕組みに詳しかった彼らは、たびたび薬師(くすし)に変装して身を隠していた。 さぎりの父親は現在の当主であり、職業である薬剤師はあくまで表向きのもの。裏ではUGNエージェントとして、現代忍者とも言えるような活躍をしている。 その娘である彼女が継ごうとしているのは、実は「薬剤師の顔を持った忍」の方である。 また、母親は非オーバードのUGN協力者であったが、10年ほど前から行方がわからなくなってしまっている。 幼い頃、父親のような仕事人をめざしてUGNの教育施設に入ったものの、厳粛な競争主義に支配されたその施設は、蹴落とし合いが常習化した地獄であった。 そんな彼女のささやかな楽しみは、実家の蔵から誰にも内緒で施設に持ち込んだ古書を解読していくことだった。子どもにしては変わった趣味かもしれないが、秘密を暴くような作業が父親の仕事に似ていると感じ、彼女は夢中になった。 その中に、「口寄せ」という術が禁忌として記述されていることに気づく。普通なら眉唾だと済ませてしまうような御伽噺だったが、強く孤独を感じていた彼女は、ただ話し相手が欲しかったのだろう。密かに儀を整え、ある晩とうとう鏡の中に異形を喚んでしまった。 さぎりに浮かんだ感情は、恐怖よりも大きな、「友人を得た喜び」であった。 それ以来さぎりは、鏡面になっている場所ならどこへでも、刀印を切ることでその異形を喚ぶことができる。鏡の中からは出てこず会話もできないものの、さぎりの気が済むまでじっと鏡の中に居てくれる上、さぎりが能力を使う際には呼応するように力を貸してくれる。 いつしか彼女は異形に「ミヅちゃん」とニックネームをつけ、秘密のペットよろしく大切に可愛がっている。 ●ミヅちゃん 鏡の中に棲む、紫色の巨大なカメレオンのようなヤモリのような姿をしたキモかわ異形。さぎりが伝承を信じたことから生まれたレネゲイドビーイング。 名前は、さぎりの生まれた地方で畏れられていた蛇神「闇御津智(クラミヅチ)」に顔が似ていることから。 さぎりの大切な相棒だが、表情も発言も無いため彼(？)が何を考えているか、喚んでいない間は何をしているかはさぎりも知らない。 そう、この相棒が母親を喰ったことも。

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