タグ： 狐ノ駒 ゼノスエージェント DX3rd

ｻﾞﾝｷ 斬季 「京香の為なら俺は死んでもいい」 -経歴- 奇妙な瞳の色のせいで赤子の時に親に捨てられ、ある犯罪組織に拾われ戦闘訓練を施され捨て駒の兵士として育てられる。 生まれ持った才能か、教えられる殺しの技術を早い段階で完全に習得してしまう。 それが災いし、同年代の兵士達よりもかなり早く実戦投入される。 初陣にしては少々難易度の高いを任務を任され、それを見事に達成した事から、一線級の兵士として現場立たされるようになってしまう。 そうして数年の月日を経て齢12になった時、視界に異様なものが映る様になりだしていた。 紫色のモヤとしか表現しようのないそれは、常に形を変えながら様々な所で流れ、固まり、揺らめいていた。 しかし、この明らかな異常を伝えられる様な相手もおらず、結局は放置するしかなかった。 当然である。 いくら重宝されているといえど、視覚に異常をきたした、もしくは精神異常とでも捕えられたが最期、待っているのは処分一択である。 毀れた刃に価値は無く、鈍の為に砥石を削る様な真似はしない。 ここはそういう組織なのだ。 生きる為に殺して来たというのに、そんな最期は御免である。 そう思っていた矢先、大物の暗殺任務が回された。 その大物とはFHエージェント『〈プランナー〉都築 京香』である。 その時の俺はFHという組織を知らず、事の重大さを理解していなかった。 大物とはいえ、結局はいつも通りに殺して帰るだけだと思っていた。 しかし、その予想は大きく裏切られ___結果的にその任務は俺の人生の転機となった。 いざ作戦に望んでみれば、隠行は見破られ、真正面から殺害を試みるも、尽くをいなされ躱される始末。 全ての技術と経験を総動員し防御の隙間に捩じ込んだ必殺の一撃すらも、謎の力によって受け止められてしまう。 直後、謎の力は振るった刀ごと俺を吹き飛ばした。 それだけで数打の鈍は刃の中程から砕け散り、俺自身も辛うじて生きているだけの状態だった。 死を___覚悟した。 砕けた刃はこの先に待つ俺の運命を暗示しているようであり、異様に増えこの身に纏わり付くモヤは視覚化された”死の運命”だと直感的に理解した。 冗談じゃない、巫山戯るなと叫びたかった。 しかし、そんな体力は既に無く、口から溢れるのは言葉ではなくゴボリと音を立てて吐き出される血の塊であった。 死の間際に立って初めて、俺は本当に死にたくないと思った。 今までは、ただ漠然と死ぬ事を恐れていた。 死んでしまえば終わりだから、と。 しかし、俺は生きる意味も持たず、何も初めてすらいない。 だというのに、なぜ終わりを拒んでいたのか。 だが、今になって、この目前に迫った明確な終わりが、その答えを教えてくれた。 「何の価値もないまま、何も得ないままじゃ終われない」 自分の奥底から、妙な力が溢れ出るのを感じた。 死の運命に、違う色のモヤが絡み出した。 ______違う。 これは”視えるようになった”だけだ。 今視界に映っているこれは、最初から存在していた時間や因果と呼ばれるモノ。 死の運命もまた、この導く様に伸びる因果と時間の流れに乗って俺に辿り着くのだろう。 ならばどうする? ___それは視えている。 ならばどうする? ___それは存在している。 で、あればこそ、それをなんとする? 「斬り殺す」 壁に背を預けたまま、視界に映るそれに折れた刀を振るう。 何にも届かず、何にも触れることは無い筈の刃は、しかし確かに何かを斬った。 ___後に知った事だが、俺が振るったあの一刀は時の流れを破断させ、己を終着点とする”死の運命”を確かに斬り殺していたらしい。 その感触を最後に、俺は意識を失った。 次に目が覚めた時、俺は柔らかなベッドの上に居た。 思考も纏まらぬまま、辺りを見回すと傍らで微笑む都築 京香と目が合った。 それから＿＿＿いや、これは俺だけが知っていれば良い。 端的に言えば、京香は俺を必要としてくれた。 それに応じた俺は、時を斬るという意味を込めた「斬季」という名前と、本当に大切な＿＿＿生きる意味を貰った。 だからこそ俺は___ 京香の為に生き。 京香の為に戦い。 京香の為に殺し。 京香の為に死ぬ。 それが俺の全て。 それが俺の生きる意味。 京香の為に使う命だ、京香の為に死ぬのなら___躊躇う事などありはしない。 -能力- 時間や空間、因果などの概念的な存在を、形あるモノとして視認する事が出来る特殊な魔眼「刻世視の魔眼」を持つ。 しかし、この魔眼は通常のバロールと違い自身の眼と融合しており、それらを視る事は出来るがそれを操る事等はできない。 基本能力といえる重力操作も、触れている物以外には発動せず精々自身の動作を加速する程度の効果しかない。 概念も見えるだけで本来触れる事は出来ず、概念に干渉しているのはあくまで斬季の"殺す"技術がそれに触れる事のできる領域に至った為である。 故にその戦闘スタイルは剣とナイフの白兵戦に加え、 魔眼によって"視た"時間、空間、因果の流れを殺す事に特化した自身の技量を以て断ち斬り、 『時間の流れを破断させる』『空間を切り開く事による高速移動や空間移動』『対象の因果を断ち斬る事により事象そのものを殺す』 等の変則的かつ特異な戦闘スタイルを取る。

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