タグ： 私立青空学園

「×××、×××。」 雛は嬉々とした表情で、出来たばかりの妹の名を呼ぶ。その顔は、綺麗なおもちゃを与えられた時よりも、祖父母に駄々を捏ねて、遊園地のジェットコースターに乗った時よりも。ずっとずっと楽しそうで、輝いていた。一人っ子で、尚且つ家に殆ど居てくれない両親の元に生まれた雛にとっては、妹-------×××は、唯一無二の家族のような存在であった。時が移ろう中、二人は一瞬たりとも手を解かない。。帰る場所がない彼女達は、只管遊んだ。現実を忘れ去り、遊び続けた。 二人の距離が狭まれば、両親との…両親同士でさえ距離は遠くなって行く。 毎日毎日、怒声。泣き声。暗い部屋で二人抱き合いながら、ただただ夜が明けるのを待った。 妹と抱き合い、眠りにつく。不安を無くしたくて。穴を補い合う為に。 --------彼女は目覚める。焼けるような熱さを感じて。 手の中にはもう温もりはない。鳥籠から逃げたした小鳥を探すように、辺りに手を伸ばす。燃え上がる炎に目もくれず。 「----×××」 彼女にとっては、意味はそれだけだった。彼女は、そのまま炎に包まれた。 0歳：貧しい家庭に生まれる。 ・両親は共働きで、子供に接する時間が無い。やがて愛情も薄れていく。祖父母が面倒を見てくれた。 3歳：周りからは距離を置かれた為友人はいなかった。 ・妹が生まれ、遊び相手ができる。妹の面倒は雛が見る事に。 (・どんなに大きくなっても2人で遊んでいた為、二人とも友人がいなかった。) 6歳：祖母が他界。 7歳：立て続けに祖父も他界。 8歳：両親の関係はどんどん悪化。毎晩喧嘩する声が聞こえる。 9歳：父親が家に放火。妹を連れ去り消える。母親は死去。 ⬇ その時お世話になった刑事に引き取ってもらう。そこからは裕福な家庭で育てられ、一見幸せそうに暮らした。その刑事への恩返し的な何かで刑事への道へ…

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