タグ： くろさわ家

「あ、えと、その、あの…えと……」 「ご、ごめんなさい……」 「あの人はわたしの運命の人なの」 父と母、姉が一人。サラリーマン一家の平凡だがあたたかな家庭でなに不自由ない生活をおくる。 引っ込み思案で大人しく、言いたいことはまず言えない。優柔不断で選択はとろくて、そんな自分に焦ってなお挙動不審になる。目立ちたくない、目立ちたくない、と常に思っており人前で会話など不可能。人づきあいも大の苦手。人の心の機微はわかるのに自分なんか自分なんかと思っているので嫌われているという焦りから、じゃあなんでこの人嫌いな私に話しかけてくるの…？なにか嫌なことをするつもりだ…と常に人間不信である。世界は生きづらくてかなわなくて世界なんて大嫌い、家族は好きだから死ねないけど、家族がいなくなったらこんな世界すぐにおさらばする…。 そんな彼女に一点の転機が訪れる。普段から持ち歩いている桜色のハンカチ。母からのプレゼント。常に不安な気持ちでいる自分を支えてくれているもの。これがないと一人で外出すらできない大切なもの。「ない、な、ない、」放課後、すでに日も落ちかけ、手を洗い拭こうとしたときに落としたことに気が付いた。「ど、どうしよ、あれがないと、わた、わた、わ、たし」必死に探すけれどどこにもないそれにドンドン不安になり心細くなり、血の気は引き、世界にたった一人という気持ちになり、というところで「……これ、上の空さんのだよね？」と声をかけてくれる人がいた。「…………そ、そう、そうで、す」「よかった、これ持ってるの見たことあったから。どうぞ」この人は私がこれを持っていることを知っていた上で、隠しもせず捨てもせず、どころか私を探してくれて、渡してくれて、嫌われていないどころか好意的にみてくれて、しかもこんなにかっこいい人が。はっと気が付いたときには目の前から彼はもう消えていた。「……………王子様だ」あぁ、あの人は私の運命の人で王子さまだ。ガラスの靴じゃなかったけれど私の大切なものを届けてくれた、きっと彼も私のことが好きなんだ……。 まだ付き合ってはないけれどあの人も私のことが好きだし私も……えと…好き…。きっと今のままでいいって言ってくれるだろうけどもっと素敵になりたいな…。と自分の身体を鍛える。彼はかっこいいから守ってあげないと…。 なにが好きでなにが嫌いなのか気になるな…おうちに盗聴器をつけて探ってみよう。言ってないけどまあいいよね！私たち恋人になるんだし！いやもう恋人か、てれちゃうなあ 性格は大人しく引っ込み思案。挙動不審の人間不信。思い込みが激しく夢みがち。 特徴表付随探索者(使用はKPに一任) 影が薄い/生まれつき目立たない。<忍び歩き>および<隠れる>に+20％。 大切なもの(D)/他人には価値のないものだが、大切な品物をいつも身に着けている。失ったときには1/1D8のSANcを行う。(桜色のハンカチ)(60ポイント) 不可視　ユウ沢谷　佳一(さわたに　けいいち)有杉　金次郎

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