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紡命論とシンギュラリティHO２ 某病院の麻酔医を行っている。 そのキテレツな風貌とトリッキーな言動から、誰が呼んだか「ドクター・コリキ」 別に安楽死専門の闇医者でもなければ眼帯もつけてないし白髪でもない。 ロンゲだけど。 安楽死専門じゃないといったな？あれは嘘だ。 我々は「白き蛇の一族」 死神と呼ばれ誰もがやりたがらない仕事を代々請け負ってきた一族。 天寿の全うが人生の最上の幸せなんだろうか？それは違う。 モルヒネで痛みを散らしながら朦朧とした意識の中で生き長らえることにどれほどの意味が？ 事故や災害で四肢を欠損してこの現代で生きていくことにどれほどの意味が？ 齢100を超え寝床で苗床のようになった老人の延命にどれほどの意味が？ 人は生きるために生きてるんじゃない、死ぬために生きているのだ。 大切なのは命ではなく人生だ。 「どれだけ生きたか」、という観念は、「どう生きたか」、の一部分に過ぎないのだ。 成すべきことを為して、「人生」を全うした人間の「命の晩節」を汚さない為に自分たちは必要なのだ。 けれど最近頭によぎることがある。 「万に一つも助からない」、とは、「万に一つは助かる」のでは？と。 「人の世の生を全うしきった人間の人生の晩節を汚さない為」そうは思ってきたが、３年前のあの出来事。 あの出来事が、喉に詰まって胃の腑に落ちていかない小石のように詰まっている。 自らの役職の全うの為に彼の女性の命を絶った。 しかしどうだ？その後に葬儀が執り行われるわけでなく、その後の連絡は不通で行方知れず。 もしも自分が、「まだ生きるべき人間の命を絶っているとしたら」、それは神ではなくて、災厄としての「死」そのものでは…？ かような悩みを抱えている為、あんまり病院内では積極的なコミュニケーションを拒みがち。 でも陰キャ方向で距離置かれてイジメられたりハブられたりするのは堪ったもんじゃないんで、「絡みづらいド陽キャ」を演じることにより「自分が周りに距離を置く」のではなく「相手側から自分に距離を取ってもらう」ような形にしている。 今日もがんばれドクター・コリキ

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