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年の離れた小学生の妹と二人暮らしの大学生。 数ヶ月前に妹の誕生日を祝っていた時に家にジャームが襲来、殺されたショックでオーヴァードに覚醒し撃退する。 その後到着したUGNエージェントからレネゲイドに関する話を聞き、自分と妹の日常を守る為イリーガルとして協力する事になった。 能力は因子を埋め込むというもの。戦闘においては血液に対して使い、武器とする。 死から蘇生する過程で問題があったのか、肌の色こそまともだが、まるで死体のように冷たく心臓も動いていない。 この状態では他者に露見する可能性が高いという事で掛け持ちしていたバイトは辞め、今はUGNからの支援により生活している。 《CAUTION:この先の閲覧には指定職員の証明、またはパスの提示が必要です。一定時間内に提示されない場合、疑似エンジェルハィロゥ＝ソラリス複合型精神焼却プログラムが実行されます》 《認証完了》 「祭、オレはお前を助け出す。どんな手を使ってでも」 …以上が修羅院神楽の経緯カヴァー、一般エージェントに表示される説明である。 　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・・・・・・・　　　　　　　　　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 真実は少し異なる。まず初めに、彼はオーヴァードではない。更に言うならば、オーヴァードになる素質を一切持ち合わせていない。 本来はジャームに襲われ、致命傷を負った時点でそのまま死んでいたはずの人間なのだ。 それが蘇り、オーヴァードとしての力を振るい、ジャームを撃退できたという異常。その原因は… 暫定コード《死色の主/ネクロクィーン》修羅院祭。 修羅院神楽の死亡時、真に覚醒したのは彼ではなく彼の妹。 兄の死に狂乱し覚醒、無意識に発動した『死者に因子を埋め込み従者とする能力』によって兄を従者化したのだ(『動物使い』の亜種と思われるが詳細は不明。覚醒『渇望』及び衝動『妄想』は祭のもの)。 修羅院神楽が修羅院神楽としての意識を保っていられるのは、妹にオーヴァードとしての自覚も、兄を自らの従者とした自覚も無いからでしかなく。 修羅院神楽がオーヴァードとしての能力を振るえるのは妹との『主従』の繋がりを通して流れ込む力を利用しているに過ぎない。 彼自身は何の力も無いただの人でしかなく。妹との繋がりが断たれれば元の死体に戻るだけ。 細く危うい糸の上に居る、なり損ないの“人間以上超人未満(デミオーヴァード)”――それが《肉色の従者》の真実。 【追記】 現状の《死色の主》の能力は自覚の無い不完全な状態で行使された為、《肉色の従者》との繋がりが強すぎる状態にある。 つまり、修羅院神楽が死ねば修羅院祭も死に、修羅院神楽の侵蝕率が高くなり過ぎれば修羅院祭はジャーム化する。逆も然り。 修羅院神楽がUGNイリーガルとして協力している真の理由は、妹をこの危険な状態から解放する為にUGNに能力のデータを蓄積させ、安全に繋がりを断つ方法を得る事である。…その結果、再び自分が死ぬとしても。 ※コードはルビなしだと肉色の従者(ししいろのじゅうしゃ)、死色の主(しいろのあるじ)となります

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