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志月 無嗣(シヅキ ナツギ) 幼い頃に両親を亡くしたことから寺で育てられた青年。 寺自体も由緒正しい古くからの場所であり、厳格な仏教の教えによって育てられたがどうにもそりが合わない。 そのため、大学への進学を機に出ていった。 現在は、大学近くのアパートで独り暮らしである。 …寺だというのになぜか伝わっていた拳法を扱えるが、途中で出ていったため拳を用いる技までしか扱えない。 　どうにもこうにも、生きてるやつってのは死んだやつのことを馬鹿にしているように見えて仕方がない。 「輪廻転生、前世だとか来世なんてもんは生きてるやつが安心したいがために作り出したマヤカシだろう」 　どれほどのご高説を垂れようが、宗教なんて言うものは結局は集金制度に他ならない。 　この世界において、本当に神が居て仏が居ようとも、人に干渉しない出来ないって言うなら、その存在に何の意味がある。 「つまるところだ、神様仏様の意味っていうのは死人には何の意味もない。死人は蘇ったりしない。アンタの家族、友達、その他諸々、居なくなった奴らは土の中で眠るだけ」 「先に逝った連中のことを気にする必要なんてないだろう。もういなくなっていて、還ることも無い。 　俺たちは今を生きているんだ。先に逝った奴らが残してくれたものを使って、後から来る奴らへ何かを残す。それが、おれ達のやるべきことで、死人に一々許可を取る必要もない」 　あぁいや、自覚はあるんだ。家族が死んだあと、死者を弔い生者から金を貰う場所で育てられたからか、どうにも…ひねくれてしまった。ってさ。まあその、なんだ……変な奴だって思っててくれればいい。あんま気にしないでくれよ。

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