タグ： 遺伝子の探索者

わたし/あなた 顔面に大きな傷を負った女性。 昔からおどけ、人を笑わせるのが得意で、今もパフォーマーとしてジャグリングを生業にしている。 顔の傷は幼少期に通り魔事件に巻き込まれて出来てしまったもの。命に別状はなかったものの、大きく傷跡が残ってしまい、大人になっても治らなかった。 マチェットのような大型ナイフを使ったトスジャグリングがメイン。パフォーマンスの一環として演舞のようなものも行うため、ある程度武器としての扱いにも慣れている。刃は潰してあるものの、重さと勢いでざっくりは行く。両手には練習の時に負った傷痕がいくつもある。 ナイフジャグリングを行っていると顔の傷も「かっこいい」「それらしい」物やメイクとして扱ってくれる為、雰囲気作りに一役買っているようだ。 普段はマスクやメイクで傷痕をなるべく目立たないようにしている。そのため変装の技術にも長けている。 性格は明るく、いつも笑顔を絶やさない。どんな苦境でも逆境でも、周りに味方が誰一人としていなくても常に笑顔を浮かべ続ける。生粋のパフォーマー気質。いつも人の動きや目線、表情に気を配っているようだ。 …………。 「…この顔のせいで、…ずっとずっと人に避けられながら生きてきた。おどけないと人を笑わせられない。気味悪がられ、離れられる。自らの周りへと人を集め、人の中に紛れるには、自分が道化になるしかなかった。何でわたしが、わたしばかりが、こうも、人に疎まれ、笑わせながら生きていかなければいけないのか。わたしは悪くないのに。何もしていないのに。憎い、憎らしい。わたしだって、普通の女の子のように、可愛らしい服を着て、マスクをしないで外に出て、お洒落をして楽しく過ごしていたかった。素の自分でも好奇の目を向けられずに生きていたかった。憎い、憎い、あぁ、世界の全てが憎らしい。」 幼少期からの「人並みの女の子らしくありたかったのに、そう出来なかった」「顔のせいで道化にならなければ人を繋ぎ止められなかった」という憎しみを原動力に生きている。それがないと自己の確立をする事ができない。だからこそ今も尚、おどけ、笑われ、人の視線を集め、顔面の傷を晒し、集まった「普通の人たち」へと憎しみを募らせられる仕事に就いている。 勿論、今まで誰にも、家族にすらそんな話をしたことは無い。ふつふつと、己の中だけで憎しみを育て続けている。

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