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クトゥルフ PC作成ツール
別所 祈
ID:2490202
MD:ff8891cb6984df6bd5940ec663ee4278
別所 祈
タグ:
つかさ@168
来待市
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
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SAN
現在SAN値
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技能
職業P
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興味P
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(うち追加分:
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
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経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
「私はね!色んなヒトの人生(ものがたり)が見たいのさ!正直かくより読む方が好きでね!ああ担当さん怒らないで!」 「締め切り…?不吉な単語を出すのはやめたまえ!!」 まるで語り部を連想させるような口調で話す、来待市出身の童話及び絵本作家。だがしかし時々口調が安定しない。 好きなものは人間。嫌いなものは締め切り。 ○容姿 ぱっと見明るく面倒見の良さそうなお姉さん。 元来中性的な見た目だが、「可愛いし、この方が皆喜んでお話してくれるんだ!Win-Winだね♡」という理由で女性の装いをしている。 完全に余談だが、胸部の膨らみも勿論偽物。自身の装いがより可愛く、美しく見えるよう服装によって大きさを変えている。 声も高いため特に違和感ないが、内面は普通に男性。 性別を明かした際驚かれると「悪戯成功♪」と嬉しくなるらしい。 なお、今の容姿に表立ってなったのは、高校卒業後である。 ※可愛いものが好きであり、可愛い服装の定義が女性の服装と解釈一致しているため着ている。女性になりたくて女性の格好をしているわけでない。 PLメモ:無駄に高いAPPをどうすれば良いのか悩んだ。 ○パーソナリティ 「どんな悪人であろうとも、どんな善人であろうとも、どんなに醜悪でも、どんなに立派でも、ヒトが足掻いて紡ぐ物語は等しく愛おしいのさ!」 「あーでもそうだなー。強いて言うなら、ハッピーエンドの方が好みかな!」 童話作家、絵本作家を生業としており、それなりに成功している…が、よく締め切りに追われている姿が見られる。担当編集者の苦労やいかに。 好きなものは人間と豪語している通り、人と関わるのが好き。所謂陽キャと呼ばれる人種である。 作家というと引きこもりがちなイメージを抱くかもしれないが、彼の場合は真逆であり、書斎にいることの方が少ない。よく当てのない散歩に出かけている。(そして締め切りが近いと怒られる。) 曰く「出逢いがあるかもしれないから」 「出逢いって初見のものに限った話じゃないさ!ほら、所謂『アハ体験』っていうのも新たな出逢いだろう?」 また、後学のためなのか、はたまた趣味か、老若男女関係なく人の体験談を見聞きするのも好き。『人生』と書いてロマンだとかモノガタリだとか読んだり読まなかったりする。 「ん?何故ヒトの人生(ものがたり)が好きなのかって?」 「『事実は小説より奇なり』って言葉があるだろう?」 「そう、人生何が起こるかわからないのさ!」 「それなのに、その人生(ものがたり)は一切書き直せない…だからこそ、見応えがあり、美しく、愛おしいと思わないかい?」 「子どもの話も侮るなかれ!人生経験少なくとも、その中身は大変濃密なのさ」 「子どもならではの目線って、大人からしたら新鮮なものだよ」 なお、語り部らしく(?)自身のことは語らない。曰く「他人(ひと)の話を見聞きする方が楽しいからに決まってるだろう?」 ○技能・能力 【芸術(イラストレーション)・芸術(お伽話)】 「絵やお話をかくのは大好きだよ!夢のあるお仕事だからね!ただ、締め切りが私を嫌っているのさ!」 絵も話も自身で創作するタイプの作家。 だが、絵のみ、話のみの依頼であっても引き受けている。 【図書館・歴史】 紡ぎ出される人生(ものがたり)が好きということから。それが生者のものであっても、今は亡き者のものであっても変わらない。 日記を見つけようものなら嬉々として読み耽るかもしれない。 【変装】 言わずもがな。容姿参照。 ただし、その道のプロではないため、腕前はそこそこ。素人内ではすごい程度のレベル。 【説得】 お伽話が教訓を表現する方法となることもある。そういった話も依頼されるため。 【回避・忍び歩き】 締め切り、もとい担当編集者さんに捕まらないよう逃れるため。 【心理学・目星】 人間が大好きであり、人間観察が趣味。 しかし、ただデリカシーなく一辺倒に「さぁ!君の話を聞かせてくれ!」と言うことはしない(これでは余計口を閉ざされてしまい結果的に話が聞けないからである)。そのヒト本来の人生(ものがたり)を見聞きしたいため、相手の気持ちを尊重する良心はある。 意外と(?)相手の様子には目ざとい。 「だって人間大好きだからね!好きなものはいつまでも見ていたくなるものだろう?」 ただし、基本的にハッピーエンドの方が好きなため、相手が暗い方へ行こうとするならば状況により止めるかもしれない。 【高EDU】 暇さえあれば人生談を求め様々な書物を読み漁るため。美大出身だが、学歴云々よりも雑学が多いイメージ。 ○家族構成 核家族。父母子の三人。 ○余談 ・「人間は皆好きだけど、私にも好みはある!特に可愛い女の子が大好きなんだ!良いよね〜女の子!」 初対面の女性に対し、(外見的描写があれば)容姿や雰囲気を詩的表現したりしなかったりするかもしれない。 ・「ユーレイ??見たことないけど、いたら面白いよね!」 「でも、棲み分けはしないとダメー><生者は現世!死者は常世!」 ・「ん??誰かにとってのハッピーエンドは別の誰かにとってのバッドエンド??」 「…確かにそうだね。うーん」 「…うん!そうだ!今見てる人生(ものがたり)の主人公にとってハッピーエンドならとりあえず良いのさ!」 「え?ちょっと祈さんの好感度下がった??そんな〜。でもソウイウモノじゃない?」 ・PLの所感 陽キャであって愉悦部ではないので注意しよう! これ以上はどこを掘り下げても闇が出てきそう。 ・彼のCSはロストして初めて完成するのかもしれない。 ○同PLの他PCからの所感(知人等のみ) 久遠 「べっしょさん…ああ、そうだったね。名前で、か」 「いのりさんはすごく元気な人だよ。人間が…ええと、モノガタリが本当に好きなんだなあって。来待市で彼を知らない人はいないんじゃないかな?」 「まるで図鑑でも作りそうな勢いだ。ふふ、見てるこちらまで楽しくなってしまうよ」 「出逢いとはいいものだよね。ねえ、君もそう思うだろう?」 仮屋 「…兄の友人…いえ、彼にとっては皆友人でしょうかー。とにかく、兄とも仲が良かったみたいですねー」 「勢いがすごくてちょっとびっくりしちゃいますー。時々何喋ってるかわからないしー」 「とりあえず、可愛い連呼で突っ込んでくるのはいい加減なんとかしてほしいですねー」 鬼瓦 「菊の知人であり面識はあるが…………奴は宇宙人なのではないだろうか」 ※オカルトめいたニュアンスではなく。困惑しながらそう言う彼は至って真面目である。 ・久遠 小学生の祈がフラフラ神社に迷い込んだときにでも出逢ったのだろう。 ・仮屋 仮屋の兄が同じ高校の先輩だった。 ジャスティスキュート。可愛い女の子の方が好みではあるが、可愛い男の子も守備範囲内(変な意味ではなく)。 ・鬼瓦 鬼瓦の奥さんが同じ高校の先輩。鬼瓦自身は最近知り合った。 以下クリアシナリオ ①Hami/hound様作『Che/se/d』 KP:焼き魚様 PL:柏木 まあさ様(PC:黒羽 柊一郎)、つかさ クリア報酬等:SAN変動-2、テイザー銃+30、回避+3、拳銃+9 ②雪沙みつき様作『月のくじらとジェリーフィッシュ』 KP:柏木まあさ(KPC:八千草 みかん) クリア報酬等:SAN変動なし、アイデア+6、聞き耳+6 ① 慰めの言葉などかけようがない。 明るい未来を祈れるはずがない。 決して君を救えはしない。 ——それでも、せめて君の行く末が安らかであれと…そう願うのは、偽善だろうか。 ○某日某所 某街にて 「あ!真くん!真くんじゃないか!」 その日も締め切りからの現実逃避をしていた別所は、久方ぶりに知り合いの姿を見つけた。 ちなみに時刻。昼間かと思いきや、まさかの夜である。 雲一つない空。見上げれば満点の星が見えるだろう。 「あ………」 「別所さんー。お久しぶりですねー」 声を聴き一瞬ゲッと素が出そうになるのを堪えながら、呼び止められた少年は振り返った。綺麗な仮面を貼り付けて。 「何故ここに!?まさか自力で脱出をッ…!?」 「だ、脱出…?僕、別にどこかに閉じ込められてたりしてませんよー?」 「おっと失礼!君にこの言葉の応酬は早すぎたようだ!」 「あ、あはは………」 厄介な存在に見つかってしまったと内心ため息をつきながら、少年は苦笑を返す。 悪い人物でないというのは理解できる。少年の兄も生前は良い奴だと評し笑っていた(嗚呼、その笑みのなんと麗しきことか)。 しかし、自分とは間違いなく世界観が違いすぎるのだ。主にノリ、言語が。あの男よりはマシだが。 「だがしかしね君。夜道を君のようなジャスティスキュートな子が一人で歩くのは感心しないな。ここはお姉さん、いやバレてるからお兄さんでいいや。どちらにせよ、この素敵な大人がエスコートしようじゃないか!」 「…遠慮しますー」 確かに夜道は危険だ。このように絡まれるのだから。今回で学んだ。 とはいえ、仕事帰りなのだから予防しようがないのだが。 よし、早く帰って休もうと早足でその場を去ろうとしたのだが、ぐいと腕を掴まれてしまった。 驚き反射的に鞄の中に手が伸びてしまったが、一応相手は旧知の仲。 そもそも、いくら身長差があれども、相手も華奢な部類。やろうと思えば振りほどくくらい可能である。変に事を荒立てることはない。 「まあまあそう言わずに!幸い、今日は雲一つない綺麗な星空だ。来待と違いこの辺りは紅い花が咲き乱れてたりはしないから、幻想浪漫には欠けるかもしれないが…ちょっと話し相手になってくれないか」 「………?」 そういう彼の表情はいつも通り呑気だが、少年はどこか違和感を覚えた。 いつもより元気を感じない。…実は、元々その陽気なテンションには違和感を覚えてはいるのだが。 少年は内心二回目のため息をついた。 ———————————— ———————— ————— 「……………で、なんですかーこの状況は」 「なんだい仮屋少年。どこかおかしなところでも?」 「正直おかしいところだらけだと思うんですけどー。何故いきなり人のお家に押しかけたんですかー?しかも何で………」 「あらあら真くん。気にしないで。私はいつでも大歓迎ですよ。賑やかなのは良いことですので」 「ふふふ。人が集う場というのは良いものだよ。色んな神様に出逢えるかもしれないからね。ねえ、君もそう思うだろう?」 「……………久遠教授。それは俺に聞いてるのでしょうか」 「え?おにがわらさんと、神様にだよ。…ふふ。神様も同意しているね。…え?ああ、そうだった。おにがわらさんだと二人いるしわかりにくいかな」 「神様?…………。ここには人間しかいないが………」 「嗚呼。貴殿も良い音を奏でるのだな。ここは穏やかだから、音が良く通る」 「……。む?俺のことか?音楽のことはよくわからんが、ありがとう?」 少年の困惑は最もだった。 まさか今日だけでこんなに同郷の者と会うことになろうとは。 何のアポもなく押しかけたであろうにも関わらず、家主——鬼瓦菊さんは快く受け入れてくれた。 連れてこられた様子を見た鬼瓦征一郎さんは、少年に同情の眼差しを向けた、ような気がする。 彼も彼で天然というか、言葉足らずで無神経な面があるとは思うが、この場では間違いなくまともな方である。 そして、鬼瓦邸にはどうやら先客がいるようだった。その先客とやら…片方の白髪で小柄な少年は見知らぬ人物だが、もう片方の背の高い温和な男が少年にとって最悪だった。 この場で語るには少々時間が足りないため割愛するが、少年はこの片方の先客が嫌いなのだ。 しかし、ここで踵を返しては却って不審というもの。帰るという選択肢は別所の誘いを断らなかった時点で潰えている。 結論。近寄らなければ良い。 なるべくその男の視界に入らないように行動しよう。仮面少年はそう決意した。 その矢先。時間にしていえば、少年たちがお邪魔して10分後のことである。 「む。久遠教授。床で寝ると体が痛くなってしまう。寝るなら寝室へご案内しますが」 「うんうん。そうだね。つづらさん」 「教授。俺は廿楽さんではありません。鬼瓦です」 「うん…?そうか。せいいちろうさんだったね……ごめんごめん。なんだか眠くなってきてしまってね…もっと君の話が聞きたいのにな……ねえ、君は……」 「………………。」 「眠ってしまった」 「貴殿は相変わらず自由なのだな。自由なのは良いことだ。表現に幅が生まれる」 どこかずれたことを言う見知らぬ少年。この人も見た目の割にそういうタイプなのか。いや白髪という中々に目を引く特徴は持っているが。 そんなコメントをする見知らぬ少年をよそに、少々思案した後鬼瓦さんは口を開いた。 「ふむ…。菊。俺は教授を運んでくるから、ここは頼む」 「ええ、わかりました」 「ああ、貴殿、ええと、鬼瓦さん。私も手伝おう」 「…俺一人で問題ないが…」 鬼瓦さんはそう言っているが、見知らぬ少年は構わず持ち上げ……ようとした。 「…………………。」 「………大丈夫か?」 「こ、このくらい…問題な………」 「…………………。」 見知らぬ少年ごと鬼瓦さんが介助しているのだが、意味あるのだろうか。それ。 しかし、この眠ってしまった男。どうやら早々に退場するようだ。 やった。少年はこの時ばかりは信じてもいない神様に感謝した。 「おーおー。彼の生態は相変わらずよくわからないねえ。まるで猫のようだ。いや本当に実は化け猫なんじゃないか?その見た目の変わらなさも妖ゆえなのか?そうなのか?彼は古くより神事を司る家の人間。まさか、あの都市伝説は本当だった…!?」 隣から別所さんの声が聞こえ、思考から引き上げられた。 随分静かだと思っていたが、観察していたのか。さすが自称傍観者というわけか。 そういえば、彼は人間観察が趣味。本来あれこれとちょっかいをかける人物ではなかったような気がする。 「などと一人で盛り上がるのは味気ない。この話は置いておいて。今日はほんの少ーしシリアスモードな話をしにきたのだよ!諸君」 ビシイっとオノマトペがつきそうな動きをした別所さんに曖昧な返事をしつつ、少年は縁側へ向かった。 少年、別所さん、菊さんと並んで縁側に座る。 うん。良い星空だ。まるで銀河に迷い込んでしまったかのようである。 ———————————— ———————— ————— 「……つ、ついたな」 「……………無理しなくて良かったんだぞ」 「いや、このくらいは………それに…リハビリにもなる」 「……………そうか」 客間に布団を敷き、眠ってしまった彼を横たえた。 久遠の体重は身長の割に軽い方だ。運ぶ役目は鬼瓦だけで十分だったのだが、せっかくの心遣いを無下にするのも気が引けてしまった。 「…君は、教授の知り合いなのか?」 「…ああ、そんなところだ。よく私の見舞いに来てくれる」 「見舞い?先ほどもリハビリと言っていたが、どこか悪いのか?」 鬼瓦は無表情のまま首を傾げた。表情がわかりにくいゆえそう見えるが、実際は心配して白髪の少年を見ている。 それに対し、同様に表情の乏しい白髪の少年は困ったような、安心させようと試みるような雰囲気を纏った。 「ああいや。その。数か月ほど眠っていたそうなのだが…特別何かの病気ではない」 「…………そうか。ならば良い。辛くなったら言え」 「…感謝する。良き音を奏でるものよ」 「?ああ」 「ふふふ。賑やかだよねえ」 「!?」 ふと聞こえるはずのない声がし、鬼瓦と見知らぬ少年こと神楽がそちらを見れば、久遠が起きていた。 ゴロンと寝返りをうち、うつ伏せで頬杖を付き楽しそうに微笑んでいる。 「………久遠教授。妙だとは思いましたが、やはり起きてたんですか」 「む、貴殿は気づいていたのか?」 「ああ。久遠教授に何の考えがあるのかは不明だが、運ぼうとしても特に止められなかったのでな」 「さすがだね。ふふ。…ええとね。なんとなく、あの三人だけにさせてあげた方が良いかなあと思ったんだ。…いのりさんはね。とても臆病だと思うんだ。それに…ほら、対話は大事だろう?」 「………俺は特に感情の機微に疎い。よくわからんのだが…」 感情の機微に疎いから理解できないと鬼瓦は言ったが、果たしてそういう問題なのだろうか。神楽はそう思った。 「ほら。それより。二人とも、見てごらんよ」 「む…?」 「?」 久遠が窓の方を指さした。言われるがままに二人が指された方を見れば、そこには満点の星空が広がっていた。 神楽は思わず窓を開けようとするが、微妙に届かない。 見かねた鬼瓦が手を伸ばした。 「………。これで問題ないか?」 「あ、ああ。感謝する。……貴殿は、大きいのだな。それにつくりもしっかりしていて、羨ましく思うぞ」 「……そうか」 表情も、口数も少ない者同士だが、特別気まずそうな空気は流れていなかった。 久遠は二人を笑みを携え見守りながら、神楽へ声をかけた。 「ふふ。かぐらさん。以前星を見る話をしたことがあったよね。その時は、よくわからないと答えていたけれど…今日こうして見てみて、どうかな?」 「どうか、と問われると語彙力の乏しい私は困惑するのだが……そうだな。こうして貴殿方と見上げる星空は、良いものだと思う」 それは良かった、と久遠が温かい眼差しを向けた。 ———————————— ———————— ————— 「…………。」 星空は綺麗だ。綺麗なのだが。…珍しく沈黙が重い。 話がある、と言っておきながら別所は暫く無言を貫いている。 菊も違和感を覚えたのか、別所の様子を心配そうに伺っているが、別所は俯き何か考え事をしているようだった。 「……………。」 「……………。」 「……………あのー?」 耐えかねた少年が口を開いたと同時に、別所もようやく口を開いた。 「すまないね。珍しくアンニュイな気分なのだ。祈さんは。今から話すことは戯言だと思って軽く受け止めてほしいのだが…」 戯言はいつものことでは?と思ったが、口に出すのは止めておいた。 黙って続きを促すと、ようやく別所が顔を上げた。 星空を見上げながら彼は言う。 「もし、花が散らない世界があったらどうする?」 「………………。」 「………………ええと…?」 はたまたいつものことだが、発言の意図がよく読み取れず困惑していると、「おっと今のは些か詩的表現に寄りすぎていたね」と彼は付け加えた。 「死というものが存在しない世界さ。年は取るが決して死ぬことはない。たとえ再起不能になったとしても、自我が残っていなくとも…箱庭の中でずっと保存され、生き続ける…………そんな世界がもしあったら、どう思うかなって」 「……………。」 次の作品のネタに関することだろうか。普段締め切りからは逃げるが、作家からは逃げない彼らしいとは思う。 しかし、そういった話題をこの三人のみでわざわざ話すだなんて、随分作為的ではないか。もう少し昔の自分ならば、悪意すら感じていただろう。 どんな夢物語を並べたところで、僕の兄は死んだ。その事実は揺らぎませんよ。 少年は心が冷えていくのを抑えながら、黙って耳を傾けた。 「……………それは…その…」 菊が少年の方を気づかわしげに見やる。彼女もなんとなく察したのだろう。 はあ、と少年は三度目のため息をついた。 「それ、死が存在しないって言えるんでしょうかー?」 真面目に答える義務などないし、普段の別所さん相手にならば、適当に回答を投げるところだが、今回はやめておこう。 拗れる方が面倒な気がするので、話を合わせることにした。 「死の形が違うってだけなんじゃないですかー?保存されるって、本人はもう二度と目覚めないんですよねー?僕、植物人間は死んでるのと同義だと思ってますのでー。所謂、心が死んでたら肉体が生きてようが死んでるってやつですー。別所さんが言った保存される云々は生きてるとは言いませんー」 少年はなんてことのないように言った。その様子を見て、菊も安心したような表情を見せた後、口を開いた。 「そうですね。私としても、今の例は『死がない』のではなく、『死の形が違う』だけの世界なのかなと思います。その死の形が良いかどうかは、人それぞれ違うとは思いますが…『再起不能』というのはよっぽどのことがないと起こりえない設定なのでしょうか?」 菊は完全に次の作品の話か何かだと捉えたようだ。話を掘り下げる事が藪蛇でないと良いのだが。 彼女の言葉に対し別所は少し悩んだ後、 「いや。ええと。普通の人よりは頑丈だとは思うけど、大事故に巻き込まれたりしたら死んじゃうくらい?かな?でも、寿命はない感じだ。そういった事故に巻き込まれない限り再起不能にならない」 と歯切れの悪い回答をした。 なるほど。『不幸なことが起こらない限り』何百年、何千年と人が生きる世界か。 「……………。」 「ああ。それで『花が散らない世界』ですか」 納得しました、と菊はおっとり言った。 物語への没入だとか、そういった感傷に浸るのは少年らしからぬ思考だ。しかし、彼の様子が普段と違うから、ほんの少し少年は考えてしまった。 兄さん。もし僕たちの世界がその『花が散らない世界』だったら、貴方はずっと苦しみ続けたんでしょうか。/貴方とずっと一緒にいられたんでしょうか。 …一瞬過った考えを、頭を振りかき消す。 別所の提示した条件だと、いずれにせよ少年の兄は『死』ぬ。世間一般的に見ても『不幸な事』が降りかかって死んだのだから。 …でも。兄さんにとっては、何が不 「…とくん?真くん?」 今度はソプラノに意識を引き戻された。菊の声だ。 気づけば、二人が心配そうに少年を見つめている。なんだか今日はこんなことばかりな気がする。 あまり腫れ物に触るかのように接するのはやめてほしい。少年は数年前を思い出し、煩わしく感じた。 「あー。すみませんー。ちょっとぼーっとしちゃいましたー」 「……すまない。私がこの手の話を振ってしまったからだね。…………どうしても、君達がどう思うか聞いてみたくなってしまったのさ。だが、好奇心に負けた結果、君達を思い悩ませてしまったようだ」 「いえ。私は大丈夫です。…その。別所さん。何か悩まれてるのかなって思いましたし…。ただ、」 「僕も大丈夫ですよー。もう何年も前の話ですしー。終わったことは気にしませんのでー」 彼女の言葉に被せ、少年ははっきりとした口調で言葉を続けた。まるでなんてことない、ちっとも痛くないと主張するかのように。 「そうか。…ならば良いのだが」 「…………。ああ、それで。別所さんからのご相談の回答が途中でしたね」 一瞬、複雑そうな表情をした菊だが。 相談にはちゃんと答えねば、と言った様子だ。変なところで真面目である。 そういえば、何を聞かれていたんだったか。 「『花が散らない世界』。ええと、寿命のない世界についてどう思うか…………私は、誰と生きるか、で変わると思います」 いかにも彼女らしい回答である。少年はそう思った。 「ずっと一人で生き続けるのであれば、悠久というのは酷く残酷なものだと思います。ですが、誰かと生きるのであれば、終わらない世界というのは素敵なものではないでしょうか。大切な存在とずっと一緒にいられるのですから」 不幸が降りかからなければ、ね。 彼女の回答はまるで穢れを知らぬ少女のように純粋なものだった。 また、少年にも、はっきりと答えの出ていることがあった。 仮に兄が事件に巻き込まれなくとも。兄にとって『花が散らない世界』は、今の世界よりも残酷なものだと。 「…………ふあ~ぁ」 だが、そこまで答える義務はない。質問に対する回答は先ほどした通りだ。 少年はわざと欠伸をした。帰るためのアピールである。 「あらあら。もうこんな時間でしたか。真くん。もう夜も遅いですし、泊まっていってください」 「いえー。お気遣いなくー。明日も仕事なので早く帰らなきゃですしー。僕も男ですのであんまり心配しなくてもー」 「あ、ならば祈さんが連れてきた責任を持って送」 「もう!別所さんも見た目は女の子に見えるんですからね!」 菊さんが別所さん『も』と言ったのが大変引っかかるが、今はそれどころではない。 これ以上誰かに絡まれるのはごめんだ。お願いだから一人で帰らせてほしい。 「………どうした。何やら騒がしいが」 「あ、征一郎さん!」 奥の方から征一郎さんが出てきた。…随分戻ってくるのが遅かったような気がするが、気を遣われたのだろうか。それとも、誰かさんに絡まれたのだろうか。 菊さんは征一郎さんに事情を説明した。彼はああ、と頷き、こちらに歩みを進め言った。 「状況は把握した。俺が送って行こう」 結局一人では帰らせてもらえないのか。 がっかりした少年だが、この条件は先に出された二案よりも悪くないと思った。 「あ、…でも。いいんですかー?」 「構わない」 一応体裁上遠慮を見せておくが、内心は万々歳である。 「では、菊。別所。少し出てくる」 「はい!わかりました」 「んー。私も一緒に帰ろうかと思ったのだが…きっくんと喋り足りないのもまた事実。ガールズトークというやつだよ君!」 「ああ。客間ではまだ二人が眠っているからな。別所。菊を頼む」 「おや。律せんせーだけでなくあの少年も一緒に眠ってしまったのか。なんて微笑ましい。それはぜひ様子を見てこねば!シュタ…………って、ちょっと疑問に思ったのだが、セーイチロー。君、気にしないのかい?」 「?何がだ?」 「いやほら。よくあるじゃないか。私だって男なんだぜー?みたいな?可愛い奥さんを男だらけの中に放置して良いのかなとふと思ったのだよ」 「……………。貴様には、そういった下心があるのか?」 一瞬で場の空気が凍り付いた。征一郎さんが出す殺気に思わず身震いする。 色々な意味で益々早く帰りたくなっているので何とかしてほしい。 「いやないない!あったらとっくにどうこうなってるだろう!?確かに可愛い子は大好物だが、妙な目論見はないから安心したまえ!イエスジャスティスキュートノータッチだよ!常識じゃないか!」 「……………。フッ、冗談だ」 「なっ。タチの悪い冗談はやめたまえ!うっかり命落としただろ!!」 「?……お前が死んだ?そのようには見えないが………大丈夫なのか?」 「あーごめんそうかそうか君はそういう奴だった。軽いロシアンジョークだから気にするな!」 タチの悪い冗談はお互い様じゃないだろうか、と思ったが当然口にしない少年だった。 なお、征一郎の側では菊がおろおろしていた。顔が赤いのは気のせいではない。 その後、無事征一郎に送ってもらった少年はようやく長い一日を終えることができたのだった。 めでたし、めでたし。 ———————————— ———————— ————— 私は何も持たぬ、空虚な存在である。 語ることなどない、語るに能わない存在。 何かを変えることなどできない、力なき存在。 君達の人生(モノガタリ)を見聞きしたところで、私の何かが変わるわけではない。 そう知りながらも、空虚を埋めるかのように、今日もモノガタリを求めるのだ。 『私が人間で唯一嫌う存在(きみ)』よ。 救えなかったことを恨むだろうか。 与えなかったことを嘆くだろうか。 残念ながら、君のよく知る通り、私はそういう存在なのだ。 私に生まれてしまった運の悪さを呪うがいいさ。 そうするのならば、私は甘んじて受け入れよう。 それが空虚な存在にできる、数少ないことなのだから。 ② 締め切りから全力で逃げた挙句一日音信不通となった別所は、担当者に締め上げられた。 しかし、戻って来た別所は逃亡前とは打って変わって筆が進み、なんと今回の作品どころか次回作の構想にまで取り掛かっていた。 なんでも、良いインスピレーションを受けたのだとか。「ヒーロー誕生を目の当たりにして超!エキサイティング!」とは本人の談。 良いことなのだが、担当者はとても不気味がっていた。 母なる海とはよく言ったものだ。実際、海に囲まれながら語り部は自身の命について深く考えた。 自身か相手か、どちらかしか助けられない状況にまた遭遇するとは奇縁である。 『ここで死ぬなら、何故あの時死んでくれなかったの?』 相手を救う選択をしようとした時、語り部と同じ声色で、心に差した影がそう言った。 だから、語り部は胸を張って言う。 何かのために死のうとしているのではなく、最後まで諦めずに生きようとしているのだと。 そういえば。語り部はこの後各地の水族館巡りと…何故か地下アイドルコンサート巡礼をしたらしい。先日水族館とアイドルが出逢いをくれたからだそうで、このインスピレーションを大事にしたいのだとか。 ――否、それらだけではない。 世界は面白さに溢れていて、語り部に沢山の出逢いをくれる。 今日も、語り部は素敵な出逢いを求め世界と触れ合うのだ。
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