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狂気山脈カエラズノケン ＨＯ２：【遺された者】　選択 とある街の裏路地にひっそりと佇む料理屋にて 香りに誘われやってきたものに料理を振舞う。 出された碗の中には、透き通る上品な香りの出汁に 色鮮やかな旬の野菜が添えられており、 そして中心には芸術と呼べるような純白が浮かぶ。そう、雑煮である。 雑煮専門の料理屋にて日々雑煮に情熱を注いでいる。 知る人ぞ知る有名な雑煮屋「しろ」の店主であり、 そして「エクストリーム雑煮」の世界ランカーでもある。 世界最高峰のクライマーである彼は、ある日ふらっと店にやってきた。 彼の持つ独特な雰囲気に、≪ZOUNISTA≫である白の魂が震えた。 彼も何か感じるところがあったらしく意気投合するまでに時間は必要なかった。 彼の世界観に触れ、白も≪ZOUNISTA≫のさらなる高みを目指すため山に登る彼の背中を追い続けた。 クライマーとしても技術を身に着けた白は彼と一つの約束を交わした。 「共に山頂にて新年を迎え、共に雑煮を食べよう」と。 そんな親友とも呼べる彼は、第二次狂気山脈登山隊に参加し還らぬ人となった。 約束を違えた彼と彼を喰らった山を許せなかった白は、狂気山脈に臨む。 果たせなかった約束を抱え、彼への手向けとするために。

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