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「遺伝子組み換え」　この言葉が、現代日本人にどのような印象を与えるかは多種多様である　　全く興味もない者も居れば、意図的にそういった食品を食べない者も居る　　ある者は神への冒涜だと貶み、またある者は農業やペット産業を推進発展させた遺伝子学の結晶だと誇称する その中で「苺産業」は遺伝子組み換えによって発展していったと言っても過言では無い　　現代日本では50種類を超える苺が国内全土で栽培されいている　　日本の苺は海外と比較すると糖度は高いが値段が高いため、海外輸出量は他の国に比べて少ない　　中国やアメリカや韓国では低賃金での大量生産が可能な為、苺の海外輸出量も多い　　その多くは、糖度が低く果実の大きさも二本で栽培されている物と比較して小さい為、あまり日本国内では問題視されていない　　しかし韓国で多く栽培されている「雪香（ソルヒャン）」を初めとした「日本種同士を掛け合わし、国内主として品種登録した外国種」を低価格で国外へ輸出する国が存在することも事実である　　また、それらは元来の日本種と比べて味の違いも少なく、一見して区別の付かない者も多い　　そこで必要とされた職業が「苺ソムリエ」だ 瑠佳は小さい頃から苺が大好きであった　　苺の先端がヘタの近くより糖度が高い事は3歳の頃には理解していた　　ケーキバイキングに行けばショートケーキしか取らない　小学生の頃に最初に覚えた数式は「1×5」　好きな四字熟語は「一期一会」　　類を見ない苺隙の瑠佳には、高校の頃に食べに行った「贅沢3種の国産苺の苺スムージーパフェ」の苺の内の一種が韓国産苺を使用し販売していた事を見抜くのは造作でも無かった　　ツイッターでバズり多くの反響を呼んだその出来事が、苺ソムリエを必要としていた苺産業の人々の目に留まるのはもはや必然であった　　大好きな苺を仕事に出来る　大好きな苺を食べるだけで生活できる　　高校勉学も人並みにできないが卒業を間近とした瑠佳にとって、この勧誘は願ってもない就職先であった 高校卒業後、苺ソムリエとなった瑠佳は苺の遺伝子学の教養を積み国内国外共に名実ある苺ソムリエとなった　　個人企業関係無く瑠佳への仕事の依頼は後を絶たないが、その額面に関わらず瑠佳は仕事を受けようとする　　自信の苺への愛　苺の品種に優劣は無い　　自らが悪と考える「苺の偽装表示」と日々闘う　

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