タグ： フグの生け簀

一人称は「私」　二人称はころころ変わる「君」が多い 文士。お茶の水に一軒家を持っており、一人暮らしなのに人の出入りが激しい家である。 葉雪の書斎・自室の二間以外は物が少なく、綺麗な印象。週に１度、お手伝いさんが綺麗にしてくれる。 行きずりの人を止めているのだと 広い家で持て余しているのだと明け渡す部屋だけは、どこか異様で襖が破れていたり、壁に傷がついていたり。タンスにびっしりと文字が刻み込まれていたり。染みついた血痕が見つかる。人の家だというのに、好き勝手にするのだと家主は飄々としている。 着物着てる喫煙者 昔の事件で足を悪くしており普段は杖を突いている。 八咫　朱華（やた　はねず） ――「私」は、文士【咲間葉雪】だ。 自己紹介を兼ねてとの事なのでね。なぁに「私」の話などひどくつまらないものだよ。「私小説」は、金持ちか狂人ぐらいしか売れぬ。そのどちらでもない。私は、ただの平凡なる文士だ。ちょいと酒のツケが溜まっているし、そこいらの女を抱いて遊ぶ日もある。つまらない男さ。 あぁ、そうだ。君は文士がなんたるかとも知らぬのか。筆をとるしか能がない体たらくの集まりさ。 生まれの病が無ければ、誰にでもなれる職だよ。その両の腕は筆を取れるし、文字を学ぶ教養さえ受ければ文を書く事が出来る。 誰でもなれる職業だ。否、故に――誰にもなれぬ職業だとも言えるだろう。 特質した才が無ければ埋もれ、世から忘れ去れる身だ。 故に「私」は人を書く。癲狂だろうが牢から抜け出していようが構うことは無い。面白ければいい。世が見ればいい。屋敷に妙な連中を連れ込んだ、気が触れたと嗤われたが知った事ではない。寧ろ、ちょうどいい。昔に、気が触れた男に足をやられたがその話もいいネタになった。己の痛みが飯のタネになるんだ。悪い話じゃない。学も筆の才も並みならば、書き物の種を仕入れなければいけないからね。 なぜ、そんな職業になぜついているのだって？ 言っただろう。――「私」は文士「咲間葉雪」だ。 文士が死ぬときは、筆をとれなくなった時だ。あぁ、その名は誰かって。こんな偏屈な私と長く続いた友人だ。気が置けない仲だった。まるで、鏡と喋ってるような気分で在り、もう一人の私のようでもあったよ。 故に、彼が死した時、ちょうど文士にならないかと誘われたときでった。――がゆえに、私は雷にあったような思いがしこう思ったのだ。 彼は、私であり。私が、彼であるとね――。犯人には、礼を言わなければならない。 これで、咲間葉雪は永遠に私である。 ――ツマラナイ話だっただろう。これが、「私」が文士で在り続けなければならぬ理由だよ。 【セッション履歴】 Ｘ２Ｕ「大正・現代」 狂人日記

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