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一発！入魂！演劇部！！ ……て感じに世間体を取り繕えば案外だぁれも気にしないものだな、と。 悟ったのはいつ頃だったろう。 存外他人を深く見遣ろうなんて奴は少なくてたまに敏い奴がいても敏いが故に深くは踏み込んでこないものだ。 変な反応をしたって「演技の練習～」なんて冗談で簡単にごまかせる。 他人って何のためにいるんだ。 俺って何のために生きてるんだ。 口ばかりが達者になって、どんなやつが「心に響いた」とのたまう本を読んでもドラマを見ても、本の少しの期待さえも沸き上がらない。 仕事のように淡々と、死出の旅路のように幽々と、虚ろな目が脳にその情報を刻んでいくだけだ。 俺は、<喜び>を知らない。 親と笑顔がそっくりだとよく言われたけど、それは鏡の前で親の写真を見ながら何度となくそれを真似するようにしてきたからだ。 口角は30度釣り上げ、目はうっすらと寝起きくらいの薄目を意識する。 頬を使って下瞼を引き上げて、力を込めて顔全体を紅潮させる。 ほら、笑顔の完成だ。 親は優しい。なんでもしてくれる。 いっそ感情なんて全部なければこの罪悪感だって生まれなかっただろうに。 部屋には、きっと喜ぶだろうと毎年贈られた沢山の誕生日プレゼントが、ろくに使われもしないまま残ってる。 生きるって、なんでこんなに哀しいんだ。 X2U 文豪×現代探索者：現代探索者

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