タグ： Cid

強く、飢えるような渇きを覚える。 喉の渇きとは違う、今すぐにでも何かが溢れ出してしまいそうな渇き。 ああ、俺はこの渇きの正体を知っている。どうすれば瘉えるのかも、どうして渇くのかも。 俺は愛機を地中から召喚すると、本能のままに戦場を見据える。 きっと、どこかにいるはずだ。きっと、こちらを見ているはずだ。 有象無象の雑魚どもではない、強者と呼ばれる俺を満足させてくれる相手が。 「ーー嗚呼、見つけた」 目が合った、と言うにはいささか遠すぎる距離にいて尚、俺はお互いがお互いを認識したのを感じる。 それと同時に、またこみ上げてくるんだ。 体の奥底から、ドロリとした、目をそらしたくなるような感情の塊が。 「俺たちは鉄だ。それも純度の高い綺麗な鉄じゃなく、いろいろ混じっちまった捨てられちまうような鉄くずだ」 一歩一歩、互いの距離を詰めていく。 その一歩が進むごとに俺の中で高ぶりが溢れ、その距離が縮むごとに俺の渇きが加速する。 「だが、なぁ。知ってるか？　鍛え抜かれた鉄ってのはな、存外硬いものなんだよ」 もはや至近と言えるほどに縮まった距離で、俺は高ぶりとともに言葉をこぼれ落とす。 例え相手が聞いていようと聞いていまいと関係ない。 俺がこぼすのは他人に伝え聞かせる言葉ではなく、己のうちから溢れ出る感情だけなのだから。 「ーーなぁ、頼むぜ！　てめぇは！　てめぇこそは！　この鉄くずたちを喰い破って、俺を殺してくれるんだよなぁ！？」 だからこそ俺たちは、言葉の通じない化物と、そう呼ばれるのかもしれない。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― Name:野可部　高鐵　Code:ゴーレムマスター[GolemMaster] 一人称：俺 他人称：呼び捨て 口調：雑 性質：欲望に忠実 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 要人警護、拠点防衛、迎撃作戦。 彼の率いる作戦部隊「アイアンゴーレム」は、そういった守りに比重をおいた作戦を主に担っていた。 だがそれは、誰かを守りたいなどという殊勝な心構えなどでは決してなく、単に彼らの戦闘スタイルがそれに一番あっていたからに過ぎない。 機甲兵やサイボーグ、機動力に乏しいものから、そもそも移動を考慮しないものまで。 分厚い装甲などといった高いタフネスを備えた彼らは、ただそこにいるだけで強力な守りをもたらす。 そしてなんといっても、彼らアイアンゴーレムの構成員の多くは戦場での死を望んでいる。 そのため、多くの場合作戦が失敗しようとも戦線から離脱を行おうとしない。 彼らにとっての任務とは、遂行するべきものではなく戦う過程で勝手についてくるものなのだ。 死を求める動機は様々だろう。 だが、求めるものが得られるまで、彼らは止まることはない。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ