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▽「　景色は目が日に焼けて褪せていく。耳は年を取れば衰える。だけど、嗅覚は何年経とうとも忘れられない記憶になるんですよ　」 大手香水メーカーのフレグランスコーディネーターを務める女。大学生の頃に一度病に倒れており、多少学が足りない様子が見受けられる。 代わりに自分の興味の向くものに対する集中力は非常に高く、今の仕事につけたのもその性格からではないかという。 裏返すと、興味の無いことに対する態度は水を失ったスポンジのように素っ気なく、 ともすれば「ごめんなさい、日時計が綺麗で話聞いてなかったわ」などと話を聞き漏らすこともしばしば。 旧姓：時槻砂織（ときつき・さおり） ▽職業技能・趣味技能 　回避　　　　∴不都合な問いかけを躱すための技術として身につけたもの。根掘り葉掘り聞かれるのはきらい。 　応急手当　　∴過去に”妹”から受けた献身を憶えている。それは今、誰かを助けるための技術として転嫁した。 　聞き耳　　　∴香りに触れる仕事をしているため非常に嗅覚が鋭い。非日常に浸れる香りに包まれるのは最高の幸せだ。 　図書館　　　∴人並みに書物に触れる事はあるが、特定の事象に関してが多い。植物図鑑が愛用品。 　目星　　　　∴周りに対する興味は薄い。物欲も薄く家で探し物をしたりすることが少ないからか、物を見つけることは下手なようだ。 　制作　　　　∴オリジナルの香水を作るのが好き。新しい香りに出逢える度に、嫌なことをひとつ忘れられる。 　言いくるめ　∴口数が多い割に会話が上手い方ではない。 　医学　　　　∴一般家庭で使える”家庭の医学”をかじった程度の知識。医学生になる予定はなかったらしいが、人より少しばかり物知りな方。 　化学　　　　∴香水について学ぶ際に覚えた程度の、医学と同じようなかじった程度の知識。 　コンピュータ∴大手メーカーでは必須技能。丁寧な販売や素晴らしい接客だけでなく、裏のデータ管理なども最先端。 　心理学　　　∴接客に必要な、会話に不自由しない程度に相手の顔色を伺い見るための知識。接客で得たものではないらしいが……。 　天文学　　　∴香水とは別に持っていた趣味に、天体観測があった。曰く、病院で生活していた頃に空を眺めることが多く本を読むようになったとか。 ▽参加卓 　揺らぐ陽炎／鞍井弥幸・笛須潤・野々部竜慈・滝沢絵美莉 　ルパルファンの夢夜／野々部竜慈 　コトワリ／野々部竜慈 　トウメイジュエリー／野々部竜慈 　骨組みだけの宇宙／野々部竜慈 ▼名前（旧姓）の由来 時・砂／ベース『時の砂』から。 槻　　／『けやき』の古名。樹勢が盛んでしばしば大木になるためか古来神聖視され、その樹下も聖域とみなされた。 織　　／砂時計のようにとめられない、進み行く時間に「槻」の神聖さを織り込む、という意味合いを込めて末尾に。 ▼女の過去 時槻家の次女。引く手数多の美貌と知能を持つ才女を姉に持ち、比べられる苦痛とコンプレックスに縛られていた。 女が高校を卒業する頃に姉が病に倒れてからは、献身的な妹を演じるべく病院に通う事が多くなった。 勿論彼女の苦痛とコンプレックスの元凶である姉の閉じ込められた病院が好きになれるはずもなく、今でも病院特有の薬品臭やアルコール臭は苦手意識が付き纏う。女が今の仕事を目指そうと考えた切っ掛けでもあるかもしれないが、真相を彼女が語ることはない。 暫くして”姉”は退院。無事元気な姿を取り戻した女に対し彼女を支えていた”妹”は、姉の退院を期にひっそりと姿を消した。 姉曰く、「退院する少し前から大事な人が出来たと喜ばしそうに語っていた」とのこと。２０歳を過ぎた妹は、恐らくその大事な人と旅立ったのだろうと。 家族は姉の無事な帰還を喜び、そう目をかけていなかった妹について深く追求することはなく女を迎え入れた。 ───女の本名は時槻香織。揺らぐ陽炎で共に遊びに行く友人達は、姉の死後付き合いが始まったものである。

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