タグ： Cid

何かが湧き上がって来る感覚。自らが沈み込んでいく感覚。 高く、高く、どこまでも。深く、深く、いつまでも。 まるで底なし沼に嵌ったかのように、白の意識は深いところへと堕ちていく。 怖い、とは思わない。 痛みを知らない無垢さは持ち合わせていないし、痛みが怖いと泣きわめく幼子でもない。 もう幾度もこの感覚は味わっていて、最早なれたものだといっても過言ではない。 だって、白はそのために作られたんだから。 この感覚を受け入れるためだけに、白は存在しているんだから。 その感覚を拒絶してしまえば、白の存在意義はなくなってしまう。 周りのみんながそうであったように。 きっと、最後の存在意義さえ見失ってしまったら、白は白でなくなってしまう。 白は、ただ寄せるこの感覚を静かに受け入れ、身を任せるだけ。 ただ、それだけでいい。 そうすれば、次に目を覚ました頃には全て終わっているはずだから。 痛いことも、辛いことも、苦しいことも。 みんな、みんな。 ――だから白は、身を任せるの。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― Name:我妻　白　Code:迎合の白[Black in White] 一人称：白 他人称：あなた 口調：端的 性質：迎合 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「アダム計画（Project Adams）」 UGNが秘密裏に始動させた、人道も尊厳も何もかもをも無視した人工オーヴァード計画。 初めから目的に沿うように遺伝子を組み替えたデザイナーチャイルドを量産し、あらゆる手段を駆使してオーヴァードとして覚醒させるといったもの。 計画の発端は、複数人数を投入することが困難な任務に当たったエージェントの損耗率だった。 一般的な任務に比べ、危険度、要求練度ともに跳ね上がり、支援も期待できない。 そんな中で優秀なエージェントが次々と脱落していくことに危機感を覚えたUGNは、他者に寄生し力を共有できるシンドロームに目をつけた。 この能力を使えば、一人で二人分の力を得ることができるようになる。そうなれば、任務の成功率、ひいてはエージェントの損耗率低下につながると予想された。 計画は実際に始動され、複数個体の成功例も出たが、初めから支援を前提とした為に個としての脆弱性が高まった上、不安定なレネゲイドウイルスを御しきれずジャーム化の脅威が増大。そもそも論としてオーヴァード化の成功率が低すぎたため、現状の成功例を持って計画は中断。後に永久凍結された。 彼女はこの計画の成功例、その最初の一人である。 研究の安定していなかった段階での成功例であり、その人格には多大な問題を抱えていた。 とはいえ、この計画において個体の人格などむしろ邪魔だと判断されたのか、彼女は「アダムシリーズ」の最初の成功例として、処分されることはなくエージェントの地位を与えられることになる。 後にアダム計画が永久凍結された折に、彼女は他の成功例と会うこととなった。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ