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割と頭が切れる作家。ただし元々体力に自信はない。それもあり幼い時から父親に「男は強くあらねばならん。」と剣道をたたきこまれる。しかし、彼はずっと運動は苦手というほどではないが嫌いで、さらに言えば本の虫であり、自分も本を書くのだと知識ばかりを身に着け積極的に体を鍛えなかった。結果がCON5である。動けるが長く持たない。父親から呆れられた様な目を向けられることもあるが彼が夢をかなえたことは高く評価しているので仲が悪いわけではなくむしろ良好の模様。ちなみに母とは普通に仲が良い方である。 宝物：手紙 『宗時 孔治様。このような文面でのお別れをお許しください。 私は愚かな化け物、人ならざるものでした。あなたは私に騙されただけの可哀想な方、被害者なのです。 私はあなたの恋人ではありません。あなたの恋人になる資格などない。 フミ、という名を冠した化け物なのです。 孔治様、許してくださいなど言いません。私はあなたの大切な方を、殺さなくてはいけないのです。 殺さなくては。それが命だと言われれば、私の細胞が、手が、包丁を。きっと許しては下さらないでしょう。 だからせめて、私も消えましょう。これ以上、私が誰も傷つけぬために。 帝都心中を模した理由はあと、ふたつあります。これは私のわがままでした。あなたをお慕いしております。 ずっとあなただけを。だから、最後。最後の時、愛しいあなたの物語になりたかった。 あなたに白無垢姿を見ていただきたかった。酷く強欲な私をお許しください。 私は、愛してます。あなたを、孔治様を愛しております。 最後にあなたへ渡した彼岸花のお守りに、ひとつ呪文を託しました。たくさんの力を必要とする呪文です。 あの指輪には力があります。指輪を嵌め、呪文を唱えれば一度だけならばどんな記憶も取り戻せるでしょう。 たった一度だけです。間違えないで。大切な記憶を、真実を取り戻してください。 あなたは虎彦様を恨むでしょうか、殺したいと吐くでしょうか。 私は、最後の最後まで彼を憎むことが出来ませんでした。これも、化け物たる所以でしょうか。 これは遺書なんかではありません、あなたへの。愛するあなたへの恋文です。 永遠にお慕い申し上げます、宗時 孔治様　フミより』 最後は、震える文字でそう記されている。 また、ところどころに何か水滴が落ちたような乾いた跡が残っている。 後日談 妻と最後の挨拶をすましたあと彼は実家から出で家を引っ越す。新しい住居はもちろん人生で唯一愛した人、たった二か月しか共に過ごせなかったが永遠を誓った人、フミの住んでいた家である。彼はフミの持ち物を大切に、大切にしまった後、彼の現財産のほとんどをつぎ込んだ大きな葬式をあげる。帰った彼はフミと自分を主人公とした物語を紡ぎ始める。長い時間をかけて何度も何度もプロットを作り、何度も何度も話を練り上げた末に約束の作品を作り上げる。編集に文句も言わせずそのまま本にさせた。そしてあとがきには一言「これは私と最愛の妻の物語である。」と書き記した。フミとの約束を果たし日本に、いや世界に二人の生きた証を刻む。作品を書き上げた後虎彦の下にその作品を持ってそれぞれの愛したふみについて語り合いに行くがそれはまた別のお話。 彼の人生の終章は「約束を果たし胸を張ってフミの下へと旅立っていく。あぁこれでようやく二人の時を刻める...。」という文で締めくくられるだろう。 クリアシナリオ 「帝都心中」　桐崎 恋さん

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